3月17日は聖パトリックの祝日

 

今日3月17日は聖パトリックの祝日です。アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリック(387?〜461年)の帰天日で、アイルランド共和国では祝日。

米国オハイオ州にある聖パトリック・カトリック教会のステンドグラス(写真:Nheyob)

「シャムロック(三つ葉のクローバーなど)の葉が3つに分かれているのは『三位一体』を表している」と伝道に利用したことから、シャムロックは聖パトリックのシンボルとなり、アイルランドの国花にもなっています。どこでも見られるため、アイルランドは「エメラルド・グリーンの島」と呼ばれるようになりました。そのため、聖パトリックの祝日には、シャムロックを胸に飾るか、緑色の衣装を着たりして祝います。

(写真:Garry Knight)

日本でも「アイルランドをもっと知ってもらおう」と、各地で聖パトリックのパレードが開催されています。最初のパレードは1992年に行われ、今年で28回目になります。アイリッシュ・ネットワーク・ジャパン(INJ)が主催して、東京では原宿・表参道を緑色に着飾った約1000人がパレードする予定でしたが、新型コロナ・ウイルスの感染拡大を考慮して中止となりました。

このようなパレードが始められたのは、アイルランド系移民が多い米国で、アイリッシュの兵隊が1762年3月17日にニューヨークの町を行進したのが始まり。現在、世界でいちばん大きなパレードが行われるのはニューヨークのマンハッタンです。

また1865年2月、長崎に大浦天主堂が完成して献堂式が行われ、この3月17日に浦上の信者が見物に来て、プチジャン神父にキリシタンであることを告白した「信徒発見」の日でもあります。

プチジャン神父はその時のことを次のように書いています。

心の底から感謝すべきことがあります。私たちの近くに潜んでいた日本の信者の子孫たちが突然現れたのです。彼らは聖書の教えをよく守っています。……昨日の正午過ぎ、14~15人の老若男女が聖堂の門のところに来たのですが、その様子がいつもの見物人のようには見えず、何やら深い事情があるようだったので、私はすぐに門を開いて中に案内しました。……40歳あまりの女性が私の横に来、胸に手を当てて、壁に耳があることを恐れつつ声をひそめて、「ここにいる私たちは皆、あなたと同じ心です」とささやいたのです。……

雑賀 信行

雑賀 信行

カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。

この記事もおすすめ