8月4日「決して諦めてはいけない」

 天才と呼ばれる人にはある特徴がある。それは、同じ仕事を、執拗に、想像力豊かに、独創的に、一生の間、繰り返す能力とエネルギーを持っているということだ。決して諦めず、決して脇目を振らない。決して気が散ったりせず、決して他のものに気持ちを逸らしたりしない。

 アウグスティヌスは創世記に基づく15冊の注解書を書き残した。彼は創世記の最初から書いた。アウグスティヌスは聖書の最初の書の奥底まで手が届いたとは感じなかった。その奥底には生命のまさに起源が隠されている。そこには、わたしたちと共にあろうとする神の基本的な原理がある。アウグスティヌスはそこまで掘り下げたとは決して思わなかった。彼は最初に抱いた問いに幾度も立ち返り、註解書を書き続けたのだ。

 べートーヴェンは弦楽四重奏曲を16曲も作曲した。べートーヴェンは作曲した曲に一度も満足しなかった。彼は四重奏曲に興味を掻き立てられ、その可能性に挑戦した。「完璧」を掴(つか)もうとする度に、取り逃したのだ。努力に熟練を加えながら、何度も何度もやり直したのだ。わたしたちはそれなりに上手く出来たと思うが、彼はそうは思わなかった。彼は、日々、努力し、そこに新鮮で創造的なエネルギーをもたらしながら、ひたすら辛抱強く同じことを続けたのだ。彼は、同じことを幾度も幾度も繰り返したが、それは決して単なる反復ではなかった。というのも、一つひとつの繰り返しが挑戦であり、目もくらむばかりの創造性に輝いていたのである。

その信仰の歩みが模範的であったが、誰一人として、約束のものを手に入れることがなかった。神はもっとよい計画を、わたしたちのために立てておられた。その計画とは、彼らの信仰とわたしたちの信仰とがひとつとなり、完全なものとなることだった。そのようにして、信仰の歩みにおいて彼らとわたしたちとが離れ去ることがないようにする、というものであった。
―― へブライ人への手紙11章39~40節

*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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