ヨーロッパを歴訪している韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は18日正午過ぎ、バチカン(ローマ教皇庁)で教皇フランシスコと会談した。そこで北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長からの訪朝要請を伝え、「金委員長が招待状を送ってもいいか」と尋ねたところ、教皇は、「公式な招待状が届けば、行くことはできる」と応じた。
カトリック信者の文大統領は先月、平壌(ピョンヤン)で行われた南北首脳会談で、「教皇は朝鮮半島の平和と繁栄について強い関心を示している。一度会ってみては」と提案すると、金委員長が「教皇が平壌を訪問すれば、熱烈に歓迎する」と受け入れたという。
教皇の訪朝については、2000年の南北首脳会談でも、当時の金正日(キム・ジョンイル)総書記が金大中(キム・デジュン)大統領による教皇ヨハネ・パウロ2世の訪朝招請に同意したが、実現しなかった。教皇フランシスコの訪朝が実現すれば、初めてのことになる。
もともと平壌は、1945年までの日本統治時代、宣教師から「東洋のエルサレム」と称されるほどキリスト教が盛んで、多くの神学校や教会が設立され、朝鮮宣教の中心地だった。しかし現在、バチカンと北朝鮮の間には国交がなく、北朝鮮では5~7万人ものクリスチャンが強制収容所などで拘束されていると言われているため、早期実現は難しいと見られている。