新型コロナ・ウイルス感染の神父、若者に人工呼吸器を譲った後で帰天

 

使用していた人工呼吸器を、自分よりも若い新型コロナ・ウイルス患者に譲り、「慈悲の殉教者」と呼ばれる神父がいる。

ジュゼッペ・ベラルデッリ神父(72歳)は15日、イタリア北部ロンバルディア州ベルガモ県の病院で息を引き取った。神父が使っていた人工呼吸器は、彼の教区の信徒に譲られたものだ。

ジュゼッペ・ベラルデッリ神父(写真:Oratorio Casnigoのフェイスブックから)

イタリアを襲うパンデミックの影響で、神父は通夜も行われずに葬られた。彼が司祭長を務めるベルガモ県カスニーゴの住民は、彼の死を知ると、窓越しから拍手で称えた。

イタリアは現在、新型コロナ・ウイルス感染拡大の中心地であり、少なくとも50人の神父が死亡したとされる。イタリア国内の感染者数は24日現在、6万9176人、死者数は6820人に上る。

ちなみに、教皇フランシスコは全世界のクリスチャンに対して、25日正午(日本時間の午後8時)に「主の祈り」を共に祈るよう呼びかけている。

本記事は、ブラジルのキリスト教メディア「ゴスペル・プライム」に掲載された記事より翻訳し、編集しました。翻訳にあたって、多少の省略をしています。

出典URL:https://www.gospelprime.com.br/padre-com-coronavirus-morre-apos-doar-respirador-a-jovem/

吉田暁

吉田暁

(よしだ・さとし)1971年、兵庫県西宮市生まれ、静岡県浜松市育ち。大阪府堺市在住。10代の頃、2年ほどブラジルに滞在する。現在、キリスト教式散骨事業を行う「海洋散骨シャロームセレモニー」代表および全国通訳案内士(ポルトガル語)。チャペル・こひつじ会員。

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