今日10月27日はエラスムスの誕生日。主著『痴愚神礼賛(ちぐしんらいさん)』は、痴愚の女神モリアーが自らを礼賛するという諷刺文学で、当時の聖職者の偽善や腐敗をあばいた内容です。ベストセラーになって宗教改革に多大の影響を与える一方、禁書処分も受けましたが、エラスムスは生涯、忠実なカトリック司祭でした。
エラスムスがギリシア語原典とラテン語訳(ウルガタ)を照らし合わせ、ウルガタに1000箇所以上も修正を施した『校訂版 新約聖書』は広く読まれ、ルターのドイツ語訳聖書の底本にもなりました。「エラスムスが産んだ卵をルターがかえした」とも言われますが、エラスムスはプロテスタントの宗教改革とカトリックの対抗宗教改革の双方に大きな影響を与えたのです。