4月10日「神に口答えするとは、何者か」

人よ、神にロ答えするとは、あなたは何者か。造られた物が造った者に、「どうしてわたしをこのように造ったのか」と言えるでしょうか。(ローマの信徒への手紙9章20節)

聖書は、「初めに、神は天地を創造された」(創世記1・1)と語る。しかし、神がどのような方法で世界を創造したかを語らない。それを語るのは科学の領域である。科学は宇宙や人間がどのように生まれ、どのように死ぬかを説明するだろう。しかし、科学は人間がなぜ生きるのか、なぜ死ぬのか、生きる意味は何かについて答えない。このような霊的な問いに答えるのは聖書に証言されている神の言葉である。

聖書は人間の生きる意味と根拠は神にあると証言する。神は「言葉」によって万物を創造した。すなわち、世界も人間も神の意志によって創造され、存在しているのであって、偶然に存在しているのではない。神の明確な目的があって、私たちは今ここに生きている。

神が創造者であるなら「どうしてわたしをこのように造ったのか」と口答えする人がいる。今日の聖句は、これに対する答えである。「神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ、それは極めて良かった」(創世記1・31)。私たちは他者と比べて自信を失ったり、優越感で人を差別したりする。しかし、神の目には私もあなたも尊い存在であり、各々に固有の賜物と使命を与えているのである。

神を信ずるとは、聖書から神の言葉を聞き、神に生かされている意味と幸いを知り、与えられた場所で神に従うことである。聖書を読み、また説教を聞く時、神はみ言葉と聖霊によって私たちの霊的な問いに応えてくださる。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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