2月17日「子どものようにならなければ、天の国に入ることはできない」

心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。(マタイによる福音書18章3節)

「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」と弟子たちが尋ねた時、主イエスは一人の子どもを立たせて、今日の聖句を語った。弟子たちは天国へ入るのは当然のように質問したのであるが、主は天国に入る条件を語った。天国でだれが一番偉いかと質問すること自体が、天国のことを知らないのだが、主は弟子たちの愚かな質問にも愛情をもって答えられる。私たちもたくさんの思い込みを持っているが、主イエスに問うことによって、分からせていただくのである。

主イエスは「自分を低くして、この子どものようになる人」と言う。「子どものようになる」とは、子どもが親や周囲の人の愛がなければ生きられないように、父なる神に素直に信頼することである。虚栄を張らず、自分を低くして、神の前で子どものようになる者が、天国に入るのである。主イエスは「心を入れ替えて」子どものようになれと言う。子どもの信頼は生まれながらであるが、私たちが神に対して子どものようになるには「心を入れ替え」なければならない。主イエスの言葉に応答して、神を信頼しようと決心しなければならない。私たちが神を天の父と信じる者となったのは、神の霊に導かれて、決心したからである。「神の霊によって導かれる者は皆、神の子なのです。…この霊によってわたしたちは、「アッパ、父よ」と呼ぶのです」(ローマ8・14〜15)。教会は主の言葉と聖霊に導かれて、神を「父よ」と呼ぶ神の子たちの交わりである。それゆえ、教会では、賜物(たまもの)の違いはあっても、偉い人はいない。自分を偉く見せようとする虚栄心も必要がない。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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