まして天の父は求める者に聖霊を与えてくださる。(ルカによる福音書11章13節)
主イエスが弟子たちに教えた「主の祈り」は、マタイによっても伝えられているが(6・9〜13)、ルカと若干の違いがある。これによって、主は弟子たちに、型にはまった祈りを教えたのではなく、どのように祈ったらよいかを教えたのだと分かる。だから、「主の祈り」を祈る時、お題目のように唱えるのでなく、祈りの内容をかみしめて祈らなければならない。
主イエスは「主の祈り」を教えた後で、祈る者の姿勢について、譬(たと)えで語った。真夜中に旅行中の友が家に来たが、もてなすパンがなくて、途方に暮れた人がいた。彼はいつも助けてくれる友人を訪ね、パンを乞うた。ところが友人は真夜中であるという理由で彼の願いを断った。この譬えによって、主イエスは祈る者に、神ならば願いを聞いてくれるのは当たり前ではなく、願いを聞いてくれるのは神の恵みであると語り、神への謙遜と感謝を忘れないようにと教えた。
それから、主イエスは「しかし」と続けて、「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、聞かれる」(9節)と言った。主は「あなたが願っていることは本当に必要なのか。そうであるならば、通りいっぺんの祈りではなく、たゆまず祈り続けなさい」と教え、祈りは必ず聞かれると約束して、今日の聖句を語った。「聖霊」こそ、神が与えてくださる最高の賜物(たまもの)である。聖霊は私たちの近くにいて、私たちを助けてくださる神である。聖霊は私たちに何が神の御心(みこころ)であるかを教え、また、御心を行うことができるように助けてくださる。祈り続けることによって、聖霊を与えられ、私たちは神をより近く知る者となる。