教皇も避けた「13」という数字が不吉とされる本当の理由

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◆1649年2月2日 教皇ベネディクトゥス13世の誕生日

ベネディクトゥス13世は1724年から1730年までローマ教皇を務めた人物です。本名はピエトロ・フランチェスコ・オルシーニと言います。ローマ教皇は教皇に即位したときに教皇としての名前を決めますから、教皇としての名前と本名にはあまり関係がないんです。

その教皇名としてとても「人気」なのが、このベネディクトゥスという名前で、現在の教皇フランシスコの前の教皇がベネディクト16世だったのは記憶に新しいところです。

このベネディクトゥス13世は、最初ベネディクトゥス14世を名乗りました。これには理由が二つあり、一つは14世紀に対立教皇(正式に教皇と認められていない「偽物の」教皇)にベネディクトゥス13世という同名の人物がいたことであり、もう一つはシンプルに「13というのは不吉だから避けよう」という理由でした。しかし後に「やっぱり混乱を招くから」とか「偽物の13世の即位を認めることになってしまうから」ということで名前を13世に戻し、彼の死から約10年後の1740年に即位した教皇が、改めてベネディクトゥス14世を名乗っています。

さてところで、「13」という数字を不吉とするのは西洋ではよく見られる習慣で、ホテルやマンションの部屋には13号室がなかったりします。日本で「4」が避けられるのと似ていますね。どうして「13」を不吉とするかというと多くの人が「キリスト教の影響でしょ?」「最後の晩餐の人数が13人だったから」「イエス様が十字架につけられたのが13日の金曜日だったから」などと答えるのですが、実は起源を辿るとあまりキリスト教とは関係ないんです。西洋ではテーブルセットが1ダースつまり12人分で1セットとして生産・販売されていたので「13人の食事は食器が一つ足りなくて困る」つまり「13人の会食は避けるべき」とされ、そこからだんだん「13」という数字自体が避けるべきものとされていったのだそうです。

今は新型コロナウイルスのせいで13人どころか、会食はすべて「避けるべきもの」になってしまっている世の中ですが、明るい兆しも見えてきましたからもう少し、辛抱したいと思います。早く13人の会食ができる世の中になることを祈ります。
それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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