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◆1561年1月22日 フランシス・ベーコンの誕生日
「フランシス・ベーコン」と言うと20世期の画家のフランシス・ベーコンが有名なのですが、実は世界史上「フランシス・ベーコン」は二人おりまして、今日ご紹介する「フランシス・ベーコン」は、イギリスの哲学者で、近世哲学の二大潮流となるイギリス経験論と大陸合理論のうち、イギリス経験論の祖とも言える人物である方のフランシス・ベーコンです。「知は力なり」や「4つのイドラ」の話は、高校の教科書で見たことのある方もいるかもしれません。
経験論というのを簡単に説明すれば、人間は生まれた時は「白紙」であって、様々な経験を通して知性や人格を獲得する、という考え方です。ベーコンに始まり、ジョン・ロックで発展し、やがてカントやヒュームにも影響を与え、アメリカ独立宣言などにもその影響が見られる、哲学を志すなら欠かせない思想です。
経験論も合理論も、それまでの「神中心」の世界観ではなく、人間の理性に重点を置くことが特徴です。しかし経験論の祖であるベーコンも、合理論の祖であるデカルトも、それらを統合したカントも、彼ら自身は神を否定しておらず、特にこのベーコンはむしろ熱心なプロテスタント信仰を持っていました。神学者としても活躍したほどです。彼らは神を否定したわけではなく、人間がいかに世界を認識するかという疑問を、神学とは別のものとして分けて考察したのであって、「神は間違っている!」とか「神はいない!」とか「神学なんて馬鹿げている!」と主張したわけではないんです。あえて言うならば「問題をシンプルに考えるために、神様をいったん外して考えてみた」といったところです。神学から哲学を分離させたのであって、神学を哲学に「進化」させたわけではないんです。
・・・なんだかいつになく難しい話になってしまいましたけれど。哲学や科学があるんだから、聖書なんかもう要らないというのは間違いで、哲学や科学を理解するために、いつまでも聖書は必要なんです。聖書の知識がなければこのベーコンさんの思想も正しく理解することはできないんです。
それではまた明日。