バベルの塔よりも高かった? 〜東京タワーのプレオープン〜

今日もクリスチャンプレスをご覧いただきありがとうございます。

◆1958年12月7日 東京タワーがプレオープン

2012年に東京スカイツリーが誕生するまでの51年間、自立式鉄塔として日本一を保ち続け、今も東京のシンボルであり続けている東京タワーは、1958年の12月24日にグランドオープンしましたが、その前の12月7日にプレオープンしました。クリスチャン的にはちょうどクリスマスを待ち望むアドヴェントの期間に重ねたようなスケジュール感で、ちょっとグッと来ます。

さてところで、旧約聖書の創世記に記されている「バベルの塔」の話はご存知の方も多いと思います。人々が「天にまで届く高い塔を作るぞー」とバベルの塔を建てましたら神様に怒られて、それ以来、人類は地域ごとにバラバラの言語を話すようになった、という話です。これに関してよくいただく質問に、エッフェル塔とか東京タワーとかスカイツリーとかは神様に怒られないの?というものがあります。

この質問は「古代のバベルの塔よりも、現代技術を駆使した東京タワーの方が高いに決まっている」という先入観からくるものかもしれません。しかし、古代技術をナメてはいけません。現代が古代よりも必ず優れている、なんて現代人の高慢です。偏見です。古代の方々に失礼です。聖書にもバベルの塔の高さについては明確な記述はないので、その高さについては諸説あるのですが、最も極端な節ではバベルの塔の高さはなんと13000mとされています。はい、成層圏に突入する高さです。333mの東京タワーとはまさに桁違いです。・・・と、さすがにそこまでは高くなかったかも知れませんが、雲を超えるような高さでバベルの塔を描いた絵画は少なくありません。・・・が、もちろん東京タワーよりも低い説もあります。でも、昔の方がすごかったかも知れない!と思ってみるだけでちょっとワクワクしたりしませんか。

そもそも、神様が怒ったのは高さそのものに対してではなく、「神様をも人間の力で超えてやろう。その象徴として高い塔を建ててやろう」という人間のおごりの心に対してです。聖書の神様が一番嫌うことは人間が神様になろうとすることです。ですからたぶんこれからも東京タワーに神様の怒りが下されることはないと思います。安心して展望台とか登っちゃって下さい。

それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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