35年ぶりの大回顧展。ターナーとの対決も。丸の内・三菱一号館美術館で「テート美術館所蔵 コンスタブル展」開催中

東京・丸の内の三菱一号館美術館でイギリスの画家、ジョン・コンスタブルの35年ぶりとなる回顧展「テート美術館所蔵 コンスタブル展」が開催されている。5月30日まで。

ジョン・コンスタブル《自画像》1806年、グラファイト/紙、19.0×14.5cm、テート美術館蔵 ©Tate

19世紀に活躍したジョン・コンスタブルは、J.M.W.ターナーとともにイギリスの風景画を刷新したことで知られる画家。今回は、ロンドンのテート美術館が所蔵する作品の中から、ロイヤル・アカデミー展で発表された大型の風景画をはじめとする40点のほか、ライバルとされるターナーをはじめ、同時代の画家の作品20点が来日。日本国内に所蔵される作品も含む全85点が展示されている。

5章構成となる同展では、初期から晩年までさまざまな作品を通して、コンスタブルの生涯を辿ることができる。第1章「イースト・バーゴルトのコンスタブル家」では、《教会の入口、イースト・バーゴルト》をはじめ、故郷であるイングランド東部、サフォーク州イースト・バーゴルトの風景や、のちにパートナーとなる牧師の孫娘、マライア・ビックネルの肖像画も展示されている。

第2章「自然にもとづく絵画制作」では、戸外で描かれた油彩画を中心に展示。ターナーが世界各国を旅しながら多彩な素描を残したのに対して、コンスタブルは父が所有する製粉所をはじめ、生い茂る木々や流れる雲など、身近にある風景を描き続けた。また、多くの作品に教会の塔が描かれているのが特徴的で、幼い頃から家族で教会に通っていたコンスタブルにとって、象徴的な存在であったようだ。

ジョン・コンスタブル《教会の入口、イースト・バーゴルト》1810年発表、油彩/カンヴァス、44.5×35.9cm、
テート美術館蔵 ©Tate

第3章「ロイヤル・アカデミーでの成功」で展示されているのは、1816~20年頃に描かれた作品群。当時のコンスタブルは、家族を養うために肖像画を描いていたが、やはり風景画で認められたいという想いは強く、精力的に風景画にも取り組んだ。この時期に大型のカンバスに描いたサフォークの風景画によってロイヤル・アカデミーの准会員に選出されている。
コンスタブルの作品の特徴といえば、表情豊かに描かれた空や雲が挙げられる。1821~22年の2年間で100点以上の空の習作を残しており、その多くには日付や天候条件、風向き、時間などが詳細に記録されているという。

第4章「ブライトンとソールズベリー」では、マライアの結核療養のために訪れたブライトンや、マライアを亡くした後に訪れたソールズベリーで描かれた作品が展示されている。
ソールズベリー大聖堂のジョン・フィッシャー主教はコンスタブルが30代の頃からの支援者であり、その甥のジョン・フィッシャー大執事は彼の大親友であった。《草地から望むソールズベリー大聖堂》のスケッチは、妻を亡くした悲しみに暮れるコンスタブルがフィッシャー大執事に励まされながら描いた作品と言われている。

ジョン・コンスタブル《草地から望むソールズベリー大聖堂のスケッチ》1829年?、油彩/カンヴァス、36.5×51.1cm、
テート美術館蔵 ©Tate

第5章「後期のピクチャレスクな風景画と没後の名声」では過去に描いた作品の構成を、自由な発想のもとに配置し直した“ピクチャレスク”作品などを展示。また、1832年、ロイヤル・アカデミー展において並んで展示されたコンスタブルの《ウォータールー橋の開通式(ホワイトホールの階段、1817年6月18日)》と、ターナーの《ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号》が揃うのは、日本では初めて。良きライバルであったターナーとの対決が勃発した当時の様子を再現したとして注目を集めている。

開館時間は10:00~18:00(※入館は閉館の30分前まで)、4月以降の夜間開館は公式サイトで発表。
休館日は月曜日。(※但し、祝日・振替休日および会期最終週と3月29日、4月26日は開館)入館料は一般1900円、高校・大学生1000円、小中学生無料。
隣接するミュージアムカフェ・バー「Café1894」では、会期中限定で企画展にちなんだランチやデザートを提供。
詳細は公式ホームページにて。

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