米国で11月3日に投開票された中間選挙で、民主党が連邦議会の上下両院で過半数を獲得したことを受け、保守的な福音派指導者らが相次いで失望を表明した。一方で、政治的な勝敗に左右されず、信仰に基づく使命を果たすよう呼びかけている。米キリスト教ニュースサイト「チャーチリーダーズ」などが11月4日、報じた。
米国最大のプロテスタント教派である南部バプテスト連盟(SBC)のウィリー・ライス会長は、自身のXで「多くの保守的福音派は今回の選挙結果に失望し、打ちのめされてさえいる」と投稿。結婚、ジェンダー、中絶、社会主義などをめぐる保守派の立場が全米各地で敗北したと指摘し、「多くの人々にとって壊滅的な転換であり、その影響は現実的かつ不穏なものだ」と危機感を示した。
その上で、「私たちは何をするのか。これまでと同じことをする。私たちは決して政治権力に信頼を置いてきたわけではない。喜びは政治的勝利や社会の潮流からもたらされるものではない」と強調。「時が良くても悪くても、勝利の時も敗北の時も、忠実でなければならない。真理は変わらず、火曜日にも変わらなかった」と述べた。
さらに旧約聖書のコヘレトの言葉11章3~4節を引用し、木がどこに倒れ、風がどちらに吹くかは制御できなくても、種を蒔き、神を信頼して歩み続けるよう呼びかけた。「働きは続き、大義は生き続ける。私たちの永遠の勝利は、空の墓と同じくらい確かだ」と、キリストの復活への信仰を表明した。
一方、著名な伝道者ビリー・グラハム氏の息子で、ビリー・グラハム伝道協会会長を務めるフランクリン・グラハム氏も、SNSで選挙結果に言及。「中間選挙が終わり、深く懸念する人もいれば、喜んでいる人もいる。私たちの国は社会主義へと少しずつ近づいている。社会主義は歴史的に神とその御言葉の敵だった」と主張した。
しかし、「変化が訪れても、イエス・キリストに従う者としての私たちの務めは変わらない」と強調。「神の御言葉に従って生き、ますます暗くなる世界に神の光と真理を輝かせ、弟子をつくることだ」と訴えた。
今回の中間選挙では、物価高やイランとの戦争、トランプ政権への不満などを背景に民主党が大きく躍進。伝統的に共和党の地盤とされてきた州でも民主党候補が勝利し、保守的な福音派の支持を受けてきた政治勢力に打撃を与えた。
日本でも、これまでトランプ氏の政策を肯定的に評価してきたハーベスト・タイム・ミニストリーズの中川健一牧師が11月5日、投稿サイト「note」で選挙結果に言及した。中川氏は、民主党が勝利しても僅差になると予想していたため、「この結果に驚いています」と表明。物価高やイラン戦争への反発などを共和党敗北の要因に挙げ、今後の米国の対イスラエル政策への影響を懸念した。その上で、「私たちクリスチャンも、政治的指導者に過剰な期待を寄せていないか、自分自身を吟味する必要があります」と指摘し、特定政党の勝敗を神の国の勝利や神の計画の挫折と同一視すべきではないと強調した。
(翻訳協力=福島慎太郎)
