今日3月9日はカルロス・ゴーンの誕生日。日産の経営再建に手腕を振るいましたが、2018年、金融商品取引法違反で逮捕され、19年末、保釈中にレバノンに逃亡しました。
1954年、ブラジルで生まれ、小学校から高校は、レバノンのベイルートにある、イエズス会士が運営する「コレージュ・ノートルダム」という一貫校に通い、そこでS・J・ラグロヴォール神父に出会います。
ラグロヴォール神父は私に深い影響を与えた。……彼が私の中に残してくれた影響がどれだけ強いものであったかに気づいたのは、あれから30年もたって日本に来てからだった。彼は多くの教訓を与えてくれた。「分かりやすい人間であれ。明晰(めいせき)な言葉で説明せよ。やると言ったことはやり遂げなさい」。いずれも日産の再生を目指した私の姿勢に反映されている。ラグロヴォール神父は15年前に亡くなられたが、彼の教えはいまでも私の中に息づいている。(カルロス・ゴーン『ルネッサンス──再生への挑戦』ダイヤモンド社、22〜23頁)
「なんでこんな人を取り上げるんだ」という声もありますが、キリストに触れた時期もある氏のために神のまなざしをもって祈りたいと思います。
ちなみに、日産コンツェルンの創始者、鮎川義介(あゆかわ・よしすけ)も12、3歳のとき、家族とともにカトリックの洗礼を受けています(洗礼名はフランシスコ・ザペリヨ〈ザビエル〉)。熱心に日曜日のミサに通い、やはり人生の師と仰ぐフランス人のエメ・ヴィリヨン神父から大きな影響を受けました。