星空写真家で、著名なプラネタリウム映像クリエイターでもあるKAGAYA氏の作品「KAGAYA 星空の世界展――カメラがとらえた天空の贈り物たち」(西武池袋本店主催)が西武池袋本7階催事場(東京都豊島区)で開催されている。5月29日(月)まで。
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《月光浴びるハルニレの木》 北海道 ©KAGAYA
一瞬の永遠を追い求め、世界中をかけめぐるKAGAYA(カガヤ)氏は、天空と地球の織りなす壮大な奇跡を、絵や写真、映像やプラネタリウム番組など、さまざまなかたちで表現する人気のクリエイター。また、天文普及にも力を注ぎ、星空写真は小学校理科の教科書にも採用され、写真を投稿発表するTwitterのフォロワーは93万人を超える(2023年3月現在)など、多くの人々に星空の魅力を伝え続けている。
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KAGAYA
同展では、代表的な写真作品を、「四季の星空」「月のある空」「天の川を追う星の旅」「オーロラ」「一瞬の宇宙」のパートにわけ約70点を展示する。その中には、新たに撮り下ろした最新作11点も含まれ、今回が初公開となる。また、映像作品「一瞬の宇宙」と「天空讃歌」の上映も行なわれている。これは、世界各地で撮影した約1万枚の写真から制作され、清田愛未氏によるオリジナル曲とともに紡がれた大自然の映像詩で、迫力の大スクリーンで自然の美しさを体感できる。
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《銀河の果ての南極光(サザンライツ)》 ニュージーランド、南島 ©KAGAYA
展示作品の一つひとつ解説が付けられており、撮影の背景やどのように撮られたのか丁寧に説明されているのもうれしい。KAGAYA氏は、「この世界は、知らなければ見過ごしてしまう贈り物であふれている。その贈り物の宝庫の空はいつでも誰の上にも広がっていて、自由に見上げることができる。そしてそれは、知識をもって見ることでさらに感動する」と力を込める。
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新作《ニライカナイ》 鹿児島県、奄美大島 ©KAGAYA
そのような思いは、解説以外にも写真と共に展示される、月の満ち欠けのイラスト、天体や流れ星の種類、天の川やオーロラについての説明パネルなどにもあらわれている。まさに同展は、天の川、月、オーロラなど魅力あふれる写真や映像で星空を体感しながら自然に、地球や宇宙を学ぶことができる展覧会だ。
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《銀河のほとりで》ボリビア、ウユニ塩湖 ©KAGAYA
ところで、聖書にも「星」は登場する。真っ先に思い出すのは、アブラム(=アブラハム)の子孫が夜空の星のようになると神さまが語る場面だ(創世記15章5節)。また、詩篇8編3節には「わたしは、あなたの指のわざなる天を見、あなたが設けられた月と星を見て思います」というダビデの美しい賛美がある。さらに、クリスマスツリーを飾るのは、マタイによる福音書2章2節に出てくるベツレヘムの星だ。広大な自然の中に輝く星の写真を見ていると、思わず聖書の世界に思いを馳(は)せてしまう。
KAGAYA氏は、「人の営みも宇宙の大きな流れの中では自然の姿であり、そんな世界を愛おしく思う」と語る。そんなKAGAYA氏が記録した、憧れと神秘と敬虔さに包まれた星空の世界をぜひ体験してみてほしい。
「KAGAYA 星空の世界展――カメラがとらえた天空の贈り物たち」は、西武池袋本店7(南)=催事場(東京都豊島区南池袋1−28ー1)。一般1,000円、大学生・高校生800円、中学生以下無料。※クラブ・オン/ミレニアム アプリまたはカードのご提示、豊島区民のお客さまは身分証明書などの提示で、入場料200円優待にて入場可。※「障がい者手帳」各種提示で本人と同伴者1人まで無料。西武池袋本店公式サイト。