今日6月27日はヘレン・ケラーの誕生日です。幼い頃の高熱のため、「見えない、聞こえない、話せない」という三重苦を背負うことになりました。しかし、そのハンディキャップを乗り越え、のちに社会福祉活動家として世界各地を歴訪し、障害者の教育・福祉の発展に尽くします。
彼女が若い頃、フィリップス・ブルックスから初めてキリスト教について教わりました。クリスマスの賛美歌「ああベツレヘムよ」(54年版『讃美歌』115番)を作詞した米国聖公会の牧師です。その後、彼女は、キリスト教から異端視された神秘主義者スウェーデンボルグに多大な影響を受けたものの、聖書はとてもよく読んでいました。
聖書の中に発見した、まばゆいばかりの光をどのように説明すればいいだろうか? 何年も聖書を読むうちに、喜びと感銘は深まるばかり。聖書は、私にとって特別な愛読書となっている。……聖書は、私に深い信念を与え、励ましてくれる。「見えるものは束(つか)の間のものであり、見えないものこそ永遠なのだ」と。(『奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝』新潮社)
また、1955年に来日したヘレンは次のように語っています。
わたくしがいちばん愛する本は、聖書であります。聖書は、わたくしの一生に大きなえいきょうをあたえました。ことに年をとり、世のなかの経験をつむにしたがって、ますますねっしんにこれを読み、そのなかから大きななぐさめとよろこびを得ております。……さいごに、わたくしの愛誦する詩編23編を、みなさんにささげて、神さまに感謝したいと思います。
(村岡花子『伝記ヘレン・ケラー』偕成社)