日本キリスト教病院協会(JCHA)の総会が3月7日、オンラインで開催され、宮城航一会長(オリブ山病院前院長)の退任により、笹子三津留氏(淀川キリスト教病院現理事長)=写真=が4月1日付で新会長に就任することが全会一致で承認された。
総会は衣笠病院の大野高志チャプレンの祈りをもって開会。幹事病院にあたる淀川キリスト教病院、衣笠病院、オリブ山病院の三病院、およびヴォーリズ記念病院、東京衛生アドベンチスト病院、愛知国際病院、賛育会病院、神戸アドベンチスト病院、アドベンチストメディカルセンターの参加によって協議がなされた。
最初に宮城航一会長が、これまでの協会の歩みを振り返りつつ、2021年に発刊した『キリスト教病院のミッションとビジョン』から引用しつつ、「霊的ケアがキリスト教病院の特色とすれば、患者の霊的痛みに感性をもつクリスチャン職員が必要。クリスチャンとして医療に従事することの信仰的な事柄、キリスト教病院としての健全経営について語りあうことがJCHAにおいてできれば幸い」とあいさつした。
その後、選任された笹子新会長より、会員間の交流と会の活性化を図りたい旨の抱負が語られた。笹子氏は東京大学医学部卒業、フランス政府給費留学生としてパリ大学留学、東京大学医学部第二外科医局長、ライデン大学(オランダ)招聘教授、国立がんセンター中央病院副院長、兵庫医科大学外科教授を歴任、胃がん切除手術で世界的に知られている。御影神愛キリスト教会で受洗、妻の真由子氏とメディカルカフェを担当している。
続けて、第27回アジアキリスト教病院協会(ACHA)総会について、国内外からの160名以上の参加者があり、会計も黒字で終えることが報告された。2026年大会は台湾台南市の新楼病院、2028年はタイのチェンライ市マコーミック病院での開催が決まったことなどが報告された。
2025年度JCHA定時総会は、東京衛生アドベンチスト病院の主催で、2025年9月26日10時~16時、天沼教会で開催される。関連する行事として第3回CPE(臨床牧会教育)が「信仰の実践としての医療におけるスピリチュアルケア」を主題として、沖縄オリブ山病院で6月30日より7月11日までの週日10日間にわたって開催されることが紹介された。
プログラムはスピリチュアルケアの理論から実践まで網羅するものとなっている。淀川キリスト教病院から、鍋谷まこと統括副院長「医療のこころ」、濵本京子チャプレン「医療チームの一員としてのチャプレンの働き」、福田峰子看護部長「信仰に基づく看護マネジメント人材教育育成」、北村愼二事務局長「信仰に基づく経営マネジメント人材マネジメント」、アドベンチストメディカルセンターから、松本ノリス院長「教会と信仰と病院運営」、中田裕文事務局長「信仰と医療マネジメント、教会との協働」、さらに、千葉キリスト教会牧師で精神科医の山中正雄氏「精神科医療と信仰 癒やしと救いの実践」、TLEA横須賀教会ダビデ前田牧師牧師夫妻「信仰と癒し 統合失調症からの癒しと解放」、韓国韓国全州市プレスビテリアンメディカルセンターイエス病院のイ・デヨン緩和ケア部長「信仰と医療の統合」、バルナバハウス糸数盛夫牧師「うちなーんちゅエンディングノート、沖縄での実践」。
日本キリスト教病院協会会員病院からの参加のみならず全国的に参加を募る。定員は20名。問い合わせはオリブ山病院伝道連携室(TEL 098-886-1150・内線492、Eメール=chaplain@oribuyama.org)まで。
(報告=田頭真一・日本キリスト教病院協会副会長)