元桜美林中学・高校校長の本田栄一(ほんだ・えいいち)さんが10日午後5時25分、都内の病院で召天した。70歳。前夜式は家族のみで、告別式は15日午後3時から日本基督教団・日野台教会(東京都日野市多摩平4丁目8の4)で行われる。喪主は妻の和子さん。供花やお花料は遺族の意志により辞退している。
本田さんは1949年、本田清一牧師(日本基督教団・諏訪教会、佐賀教会、門司教会、新栄教会など)の長男として東京に生まれた。青山学院大学文学部神学科卒業。国際基督教大学大学院修士課程修了。北陸学院、女子学院中学・高校で宗教主事、聖書科教員を経て、桜美林中・高校長を2013年まで9年間務める。また、学校法人鶴川学院・鶴川シオン幼稚園園長、農村伝道神学校講師、キリスト教学校人権教育協議会副会長、キリスト教教育学会理事、明治学院理事も務めた。著書に『イエスを訪ねて』、『はじめて知るキリスト教』(日本キリスト教団出版局)、共著に『礼拝改革試論』(キリスト新聞社)などがある。
本田さんの訃報を受けて、関係者からの追悼の声がフェイスブックなどを通して寄せられている。西原廉太さん(キリスト教学校教育同盟理事長)は、「突然の訃報に接し、言葉がなかった。……本当に筋の通った立派な教育者であり、信仰者であった」と投稿している。特に西原さんの子ども二人が、本田さんが校長を務める桜美林中学・高校に通っていた間には、「より濃密なつながりを持たせていただき、実に多くのことを教えていただいた」という。
「キリスト教学校の使命」という原稿で、桜美林で経験した白血病の生徒一人のための卒業式のエピソードを紹介し、本田さんに事前に読んでもらったことがある。そのとき本田さんから、「ほんとうに一人ひとりを大切にする実践につなげていきたいと願っています」という返事をもらったと紹介し、次のように話した。
「本当に一人ひとりを大切にする実践を本田先生は生涯担われ続けた。本田先生の魂の平安と、残されたご家族の上に主の慰めがあることを、本田先生への感謝とともに、心より祈りたい」