ドイツ東部テューリンゲン州で9月1日、州議会選挙にてドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勝利し第一党へ。また同じく州選挙が行われた東部ザクセン州でも第二党になるなど躍進した。これを受けてラインラント州教会のトルステン・ラッツェル会長(デュッセルドルフ)=写真=は翌2日、「社会が分断されることを許してはならない」と声明を発表した。独紙「エヴァンゲリッシェ・ドイチュ」が報じた。
AfDはこれまで、移民排斥やドイツ民族主義を掲げ、その存在はドイツのキリスト教界でも慎重に議論。今年2月には独カトリック司教協議会が「民族主義とキリスト教は相容れない」とAfDの政策を直接非難したことも話題となった。
しかし、今月1日に行われた州議会選挙では躍進。候補者のビョルン・ヘッケ氏も「歴史的勝利」と称するなど今後さらに支持層が拡大することが懸念されている。
今回の選挙の結果にラッツェル氏は「民主主義には民主主義者が必要なのです。社会的結束を強め、公正さを尊重する人々が求められているのです」と述べ、プロテスタント教会もまた「民主主義のために強く働きかけ続ける」と締めた。
テューリンゲン州で極右政党が勝利したのは第二次世界大戦後で初めて。また全国世論調査でもAfDの支持率は国内2位と、すでにドイツにおける驚嘆な右傾化は「侵食している」といっても過言ではない。
(翻訳協力=福島慎太郎)