米調査 宗教者の6割が「神への信仰と道徳は必ずしも結びついていない」と回答

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神を信じることは道徳的な人間であるための前提条件なのか。米ピュー・リサーチ・センターが3月20日に発表した意識調査では、多くのアメリカ人が「そうではない」と答え、先進諸国でも成人の過半数がそう思っているとの結果が明らかになった。「レリジョン・ニュース・サービス」が報じた。

「宗教に属している人々の間でも、多くは良い価値観を持つために神を信じる必要はないと考えている」と、2022年春に行われた質問に関する報告書は述べている。「調査したほとんどの国で、宗教に属していると答えた人の半数以上が、道徳的であるために神を信じる必要はないとも答えている」

米国では、宗教に属する人の56%が、道徳や良い価値観は神への信仰と結びつく必要はないと回答している。世界的に見ると、この意見に同意する宗教関係者の割合が高い国は、スウェーデン(86%)、オーストラリア(75%)だった。他方、一般市民を対象とした調査では、いくつかの国でより顕著な違いが見られた。

ヨーロッパ人と北米人の少なくとも6割が、神への信仰と道徳が結びついていなければならないと言わないのに対し、イスラエル人は賛成が50%、そのような信仰が不可欠だとする人が47%と、より意見が分かれている。マレーシア人の約5分の1は、神への信仰がなくても道徳的でいられると答え、4分の3以上はその意見に反対している。

米国以外の16カ国での調査によると、成人に関しての中央値は約3分の2が神への信仰がなくても道徳的でいられると答えており、米国の割合より少し高い。

世界では、宗教的、政治的に異なる見解がある。米国では、宗教がまったく重要でない、あるいはあまり重要でないと答えた人の約10人に9人が、道徳と神への信仰を結びつける必要はないと考えているが、ある程度、あるいは非常に重要だと考えている人の半数しか、道徳と神への信仰を結びつける必要はないとの意見には同意していない。

黒人プロテスタント(39%)と白人福音派(42%)は、道徳的であるために神を信じることは不可欠ではないと答えたアメリカ人の中で最も少なく、宗教に無関心な人(88%)は道徳的であるために神を信じることは不可欠ではないというスタンスに最も同意しているグループであった。

民主党および民主党寄りの人々は、共和党の人々よりも、道徳的であるために神を信じることは必須ではない(59%に対し71%)と答える傾向が強い。50歳未満のアメリカ人と高齢者では、同様の回答の違いが見られる。

「政治的イデオロギーを測定するほぼすべての国で、政治的左派に属する人々は、政治的右派に属する人々よりも、良い価値観を持つために神を信じることは必要ないと言う傾向がある」と、報告書は述べている。

「さらに、調査対象国の約半数の若年層は、年配の回答者に比べて、神への信仰は道徳と結びつかないと答える傾向が著しく高い」。例えば、50歳以上のギリシャの成人の半数しか、神への信仰を結びつけていないのに対して(51%)、30歳未満のギリシャの成人の5人に4人以上が、道徳と神への信仰を結びつけていない(84%)。また、カナダ、ハンガリー、イタリア、オランダ、ポーランド、シンガポール、イギリスでも大幅な年齢差が生じている。

今回の報告書は経済先進国に焦点を当てているが、2019年のピュー・リサーチ・センターによる同調査では、発展途上国や新興国を含む34カ国のうち、国内総生産が低い国の人々の方が、神を信じることが道徳にとって重要であると答えた割合が高いことが分かった。

新報告書の調査結果は、2022年3月21日から27日にかけて、オンライン調査パネルに参加した米国の成人3581人を対象に行われた調査に基づいており、全体の誤差はプラスマイナス2.3%ポイントとなっている。米国以外では、2022年2月14日~6月3日に全体合計1万8782人の成人を対象とした全国代表調査に依拠した。調査は、ある国では電話で、ある国では対面インタビューまたはオンラインパネルで行われた。誤差は、オーストラリアのプラスマイナス2.8%ポイントからハンガリーのプラスマイナス4.5%ポイントまでであった。

(翻訳協力=中山信之)

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