8月2日「神に由来する力」

わたしたちの戦いの武器は肉のものではなく、神に由来するカであって要塞も破壊するに足ります。(コリントの信徒への手紙二 10章4節)

パウロの使徒としての願いは、神から遣わされる地域に「福音を携えて」(14節)行くことであり、教会の信徒たちの信仰が成長し、その地における宣教の働きが増大し、さらに他の地域にまで福音が告げ知らされるようになることであった(15〜16節)。これは神に召された伝道者の願いである。パウロは福音を広めることに大きな貢献をした人であるが、その生涯は苦しみの連続であった。その一つは、パウロの伝道によって誕生した教会が、後で入って来た伝道者たちのパウロ批判によって混乱したことである。批判者たちはパウロが「肉(人間の欲望)に従って歩んでいる」2節)、「実際会ってみると弱々しい人で、話もつまらない」(10節)などと中傷し、彼は使徒ではないと言った。

パウロは個人のことならともかく、使徒職が批判され、信徒が同調し、教会が破壊されるのを知って、厳しい手紙を書いた(10〜13章)。パウロは「あなたがたは、うわべのことだけ見て」7節)いると言う。話の中身よりも、話し手の表情や雄弁さなどで説得されてしまう人々は多い。パウロは批判者と戦うが、それは「肉に従って戦う」(3節)のではなく、「キリストに従わせ」(5節)る戦いである。その武器は今日の聖句で語るように、生来持っている力ではなく、「神に由来する力」である。霊の戦いを強いられるパウロは強い人ではなかったが、信仰の人であった。今日も、主の証人として遣わされる者には、教会を破壊する霊との戦いがある。祈りとみ言葉によって、神に由来する力で武装しなければならない。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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