日本基督教団東北教区センター「エマオ」開館20周年 記念誌を発刊

日本基督教団東北教区センター「エマオ」(仙台市青葉区)は、2022年10月に開館20周年を迎えた。それを記念し、これまでの歩みをまとめた20周年記念誌が、昨年12月に発刊された。歴代館長をはじめ、東北教区センターにかかわった人たちの思いなど20年間にわたる歴史が刻まれている。

同センターは、米国の宣教派遣団体である米国合同教会から、土地と資金の提供を受け、2001年10月1日にオープンした。鉄筋コンクリート造りの3階建の1階には、仙台青年学生センター、教区センター受付、2階に講座のための研修室、3階には大小会議室、教区事務所がある。また、これらとはで区切られた形でテナントのための部屋が5つ設けられており、様々な人々の出会いと交流の場として、広い世代層をつなぐ役割、世界や社会に目を向けてアンテナを張る役割などを担う建物となっている。

開館10周年を迎えた年に東日本大震災が発生。それまで、欠陥の多い建物として運営委員会を悩ませてきた「エマオ」だったが、災害時には、東北教区被災者支援センターの活動拠点として最大限に用いられ、被災者支援のために大きな役割を果たした。当時を知とる関係者は、「震災直後から被災者支援センターの受け入れと協力は、思いを越えた出来事だった」と話す。

13年には、「人格なき社団」という法的な立場で、日本基督教団の関係団体となり、新センターを設立。その後、仙台学生センターの活動を継承してきた青年・学生センターが活動を休止し、新型コロナウィルス感染症拡大など、厳しい状況の中ではあったが、教会の活動をサポートできるよう、地域社会とつながることを目指して活動してきた。

それらの活動の中でもユニークなのが、14年から行っているリードオルガン修理。リードオルガンの修理・奏法講習会を開催し、その後、講習会に参加した有志が熱心に研究を重ね、エマオを会場に修理活動を行っている。修理・調整に関わった教会・施設は40か所以上になる。

同誌の編集後記では、これまでを振り返り次のように語られている。

これからの10年、20年にはさらなる困難と向き合うこともあろうかと思います。このセンターが建設された時の祈りや理念を忘れることなく、神さまの御心を常に尋(たず)ね求めつつ、復活のイエス・キリストと多くの人とが出会う場である事を願っています。

「エマオ」は、聖書に出てくる地名。復活の主を見出せない弟子たちと一緒に歩んでくださったイエス様が歩いた道が、エマオへの道だった。(新約聖書ルカによる福音書24章13節以下)

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