今年で設立から130年となる日本同盟基督教団。それを記念する大会が9月23日、インターネットを使ったオンラインで開催され、約1300人がリモートで参加した。全体集会では同教団理事長の朝岡勝(あさおか・まさる)氏(徳丸町キリスト教会牧師)が、日本同盟基督教団・宣教130周年記念宣言を読み上げ、2回の講演を行なった。
同教団の歴史は、1891年11月、北米スカンジナビアン・アライアンス・ミッション(SAM)から遣わされた15人の宣教師が横浜港に降り立った時から始まる。宣教師と牧師、信徒の協力によって生み出された諸教会は、1922年に日本同盟基督協会を組織した。戦時体制下、宗教団体法施行にともない日本聖化基督教団を設立、日本基督教団第8部に所属した。戦後、その一部が教団を離脱し、48年に再来日した宣教師団SAM(改称してTEAM)と共にゼ・エバンゼリカル・アライアンス・ミッション(日本同盟基督教団)を設立。現在は、全国に16宣教区255教会・伝道所がある。
朝岡氏は、1回目の講演の冒頭で、宣教130周年記念宣言を読み上げ、130年という区切りには、「回顧と展望」と「記憶することと忘れること」の2つの意味があることを話した。そして、先達が残してくれた遺産を思い起こしつつ、「宣教の使命を果たしきれていない自分を認めて、悔い改めてから始まる130年目のスタートにしたい」と述べた。また、ピリピ人への手紙1章3~5節を紐解き、パウロの祈りをとおして、結果としての感謝ではなく、先取りとしての感謝の祈りをささげていくことの大切さを伝えた。そして次のように話を結んだ。
「諸教会が産み出されたから今日まで、一人ひとりがイエス・キリストに出会ってから今日まで、主との交わりの中での恵み深さを思い起こしてほしい。そこには教会のかけがえのない証があります。それはイエス・キリストの導き、聖霊が紡いでくれた日々です。そういうことを心に留めながら、主と共に福音に与ることを許してくださった同盟の交わりを感謝します」
2回目の講演では、「あなたがたの間で良い働きを始められた方は、キリスト・イエスの日が来るまでにそれを完成させてくださると、私は確信しています」というピリピ人への手紙1章6節のみ言葉を引用しながら、「イエス・キリストが来る日まで」というテーマで語った。
同教団は、東日本大震災の被災地支援など、さまざまな取り組みを行ってきた。それらは、神が教会員の手のわざを用いて始めたよい働きであって、それ今日まで続けてこられたのだという。したがって、そのよい働きを始めた方がよしとされるまでは、働きを進めていかなければならないと力を込める。また、「私たちができる範囲の中での計画であれば、祈りなど必要はない。それは教会としての働きではない」と述べ、次のように呼びかけた。
「主の大いなる御わざの中に私たちの存在が巻き込まれ、そこで、私たちの計画や、いくつもの試行錯誤が用いられていく。時には、失敗さえも用いられていきます。また、この130周年は、同盟だけが祝福されていればいいわけではありません。宣教が急務となっている今、福音を待つ人は大勢います。新型コロナも含めどんなことも伝道ができない理由にはなりません。神様に用いられているのですから、できない理由を考えるのではなく、できることを考えていきましょう」
東日本大震災発生直後から、被災地支援を続ける朝岡氏は、地震発生直後の体験を最後に語った。被災地教会に支援物資を届けに行った時、「自分たちのところはいい。もっと必要なところがあるので、そっちに届けてほしい」と行く先々の教会で言われたという。こうした当時のやり取りを声を詰まらせながら話し、「こうい教会の交わりの中に自分もいるんだと感謝しました」と胸の内を明かした。そして、こう締めくくった。
「全国どの教会でも同じような経験されているはずです。私たちは、主にあって必死に取り組んできたのですから。主はこう励まされます。『立ちなさい。さあ、ここから行くのです。私はあなたと共にいます』」
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