より大きく成長するために過去を捨てる

教会成長に関わる専門家は、企業にとってリスク評価と事業の見直しが重要なのと同様、教会組織にとっても重要と言っている。

ショーン・モーガン(CDFキャピタルのリーダーシップキャピタル部門設立者で、TheAscentLeader.orgのキュレーター。いずれも教会の資本やリーダーシップの強化を支援する団体)は語る。「成長している教会は、産業界のテクニックを使っているから成長しているのではありません。成功を生む可能性のあるものに対してオープンだから成長しているのです。最適なアプローチは、産業界と宗教界の中間に位置する事業の進め方でしょう。まるで自分たちが人間でないかのように霊的になりすぎてはいけません。逆に、計画と戦略ばかりに集中しすぎて、聖霊が働かれる余地をなくしてもいけません」

メガチャーチの指導者たちへの助言として、モーガンは次の質問をする。「あなたの教会のミッションを先に進めるために、何を手放す意志がありますか」

モーガンは言う。「過去にしがみつくことで、教会の本来の使命に集中できなくなります。皆が好きなことに教会が縛りつけられてしまうのです。けれども教会は、人をよい気分にさせるためにあるのではありません。自己満足は、足元の問題や同時代への無関心につながります。企業家精神は、こうしたマインドセットとは反対のものです」

クロスローズも、「多くの拠点に広がる一つの教会」という自教会のビジョンの妨げとなるものは手放そうとしている。たとえそれが成功している革新的で先進的な取り組みであったとしてもだ。

クロスローズは10年来、数え切れないスタッフ、ボランティア、年間1500万ドル以上の予算をクリスマス劇につぎ込んできた。2017年には12万1000人の観客を集めたこの劇が上演されるのは、シンシナティの二つのキャンパスだけだった。そこでクロスローズは劇を中止し、どのキャンパスの人も利用しやすいものにリソースを振り向けることとした。

劇はやめても、クロスローズは「夢中になれる体験」のできるイベントを開催し続ける。2017年、同教会はキャンプ用の400エーカーの土地を購入した。トーム師は語る。「教会で礼拝することもすばらしいものです。けれども、(キャンプという)日常生活から離れたところで得られる経験に勝るものはありません」

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CHRISTIANITY TODAY

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「クリスチャニティー・トゥデイ」(Christianity Today)は、1956年に伝道者ビリー・グラハムと編集長カール・ヘンリーにより創刊された、クリスチャンのための定期刊行物。96年、ウェブサイトが開設されて記事掲載が始められた。雑誌は今、500万以上のクリスチャン指導者に毎月届けられ、オンラインの購読者は1000万に上る。

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