カリタス小学校の児童らが刃物を持った男に殺傷された事件から28日で1年、カリタス学園では追悼ミサが開かれた。新型コロナ・ウイルス対策のために児童や生徒は参加せず、教諭ら約70人で実施され、その様子はオンラインで同時配信された。この記事は1年前、掲載されたもの。
カリタス小学校(内藤貞子校長)の児童らが2019年5月28日午前7時40分ごろ、神奈川県川崎市登戸で通学のバスを待っていたところ、男に切りつけられた。神奈川県警によると、小学生の女児16人と男児1人、大人2人の合わせて19人が刺されて病院に運ばれ、このうち小学6年の栗林華子(くりばやし・はなこ)さん(11)と別の児童の父親で外務省職員の小山智史(おやま・さとし)さん(39)の死亡が確認された。ほかに保護者の女性(45)と女児2人が重傷。
襲撃したのは岩崎隆一容疑者(51)で、自分で首を切り、自殺した。目撃情報や防犯カメラの映像から、最初に小山さんを刺してから児童らを襲い、自殺するまでに十数秒だったと明らかにされた。小田急線の登戸駅から3駅目の読売ランド駅近く、川崎市麻生区の住宅街の一軒家で高齢の伯父夫婦と3人暮らしをしており、近所とトラブルを起こすこともあったという。
カリタス小学校は、神奈川県川崎市多摩区にあるカトリック系の私立の小学校(日本カトリック学校連合会加盟校)で、受験情報サイトによると、児童総数646人(4月現在)。男女共学だが、女子児童のほうが多い(男子69人 女子577人)。カリタス幼稚園、カリタス女子中学・高等学校、カリタス女子短期大学(2017年に閉学)は系列校。
1953年にカナダのケベック・カリタス修道女会の3人のシスターが来日し、61年に中学・高校、62年に幼稚園、63年に小学校、66年に短期大学を開設し、幼稚園から短期大学までの一貫教育を行ってきた。
カリタスとはラテン語で「愛」を意味する。人を分け隔てすることなく大事にする心で、子どもたちがこの「カリタス」の心を学ぶことで幸せな人生を歩み、社会に「カリタス」の心を伝えていくミッションを果たす者となるようにとの願いから付けられた校名。