戦後80年を迎えるにあたり、日本バプテスト連盟(松本素代美理事長)理事会は7月15日、加盟教会・伝道所に宛てて「戦後80年の祈り」を送付した。
この中で同理事会は、日本がかつて戦争に向かって歩み、多くのキリスト教会も追従して暴力に加担し、多くの人に苦しみと悲しみを与え、命を奪ったことを反省。現在も世界中で戦いが繰り返され、「戦後」ではなく「戦前」であるとの警鐘が鳴らされる中で、「国や権力に縛られることなく、良心の自由に基づいて平和の声を上げる教会」であるように祈った。
また、核の惨劇を再び起こさないように行動し、和解と平和を求めて歩みだすこと、他者の命と尊厳のために祈り、「与え・分かち合う幸いと平安」を求め、「平和を実現するものでありたい」と願った。
祈りの全文は以下の通り。
「戦後80年の祈り」
平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。(マタイによる福音書5章9節)
主よ、戦後80年を迎え、私たちは今一度、イエス・キリストのみ言葉の前に立ち、その言葉に問われつつ、祈りを捧げます。
主よ、私たちの国はかつて、戦争を選び、戦争に向かって歩みました。私たちを含め多くのキリスト教会もその歩みに追従しました。権力に屈し、「正義」の名のもとに反戦の言葉を発することをためらいました。平和の言葉を掲げる者たちの前で沈黙し、暴力に加担し、そして多くの人に苦しみと悲しみを与え、いのちを奪いました。
先の大戦から80年経た今、世界中で新たな戦いが繰り返されています。そして、私たちの国もこの流れに流され、鋤を打ち替えて、剣とする中に立たされています。それ故、今という時代は「戦後」ではなく、すでに「戦前」であるとの警鐘が鳴らされています。
主よ、このとき、「剣を鋤に打ち替えよ」とのあなたの言葉を大胆に語り、国や権力に縛られることなく、良心の自由に基づいて平和の声を上げる教会でありますように。
核被爆国に生きる私たちが、ヒロシマ、ナガサキの核の惨劇を再び起こさないよう祈り行動し、核の傘を閉じることができますように。剣による平和ではなく、鋤によって生み出される和解と平和を求め、歩みだすよう、私たちを押し出してください。
主よ、私たちは「敵を愛しなさい」とのイエスの言葉に立ち、他者の命と尊厳のために祈ります。そして、「受けるより与える方が幸いである」とのイエスの言葉に立ち、与え・分かち合う幸いと平安を求めます。
主よ、私たちは平和を実現するものでありたいと願います。
戦後80年を迎えるこのとき、平和を実現するために、私たちと教会をお用いください。
主よ、私たちの弱さを憐れみ、御心に従い歩む信仰と、聖霊の導きをお与えください。
主の御名によって、祈ります。
2025年8月
日本バプテスト連盟 理事会