今日8月19日はビル・クリントンの誕生日。1993年、46歳で第42代米大統領となったクリントンは、南部のアーカンソー州出身で、南部バプテスト連盟の教会で9歳の時に洗礼を受けました。
母親と父親は復活祭やたまのクリスマスにしか教会に行きませんでしたが、クリントンは母の勧めで、11歳の頃から高校を卒業するまで、パーク・プレイス・バプテスト教会の日曜学校にきちんと正装して出席していたのです。教会学校教師の息子バートと親友になり、数年間、毎週日曜日には二人で日曜学校や礼拝に通い、いつも後ろの席に座って、しばしば自分たちだけの世界に浸っていたといいます。
「1955年、わたしは教会の教えを深く理解するようになり、自分を罪人と認めて、イエス・キリストの救いを求めた。そこで、日曜の礼拝のあと、祭壇へと進んでキリストへの信仰を告白し、浸礼を授けてほしいと願い出た。フィッツジェラルド牧師は、わが家を訪れて、母とわたしに話をした。バプテスト派では、詳細な説明を受けたうえで信仰の告白をしてから、浸礼を受ける必要がある。……バプテスト派は、みずからが何をなすつもりなのか自覚することを求めるのだ。わたしは、バート・ジェフリーズとともに、日曜の夜、数人の人に混じって浸礼を受けた」(『マイライフ──クリントンの回想』上、51頁、朝日新聞社)。
しかし大統領任期中の98年、不倫スキャンダルを起こします。その頃、ホワイトハウスにいる時は、夜になるとたいてい2、3時間は一人きりで執務室にこもって、聖書をはじめ、信仰や赦(ゆる)しに関する本、トマス・ア・ケンピスの『キリストにならいて』などを読んで過ごしました。そして、「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい」(ヨハネ8:7)と刻まれた2個の石は、今もクリントンの手もとにあるといいます。