日本を愛するキリスト者の会が解散 日本民族総福音化運動協議会へ合流

日本を愛するキリスト者の会(久保有政事務局長)が3月末で解散し、日本民族総福音化運動協議会(民福協)に合流して活動を継続することとなった。

同会は2015年、故・手束正昭氏(日本基督教団高砂教会牧師)の呼び掛けにより、「日本を『悪い国』として裁き目線で断罪するのではなく、神の御手の中にある日本の伝統文化/歴史を敬愛しつつ、宣教に励んでいく」ことをモットーに、「所謂〝自虐史観〟に則った言論や決議の蔓延を憂え、もっと公正にバランスのとれた報道や意見が尊重されるあり方を求める」ために、年2回の講演会や、会報誌の発行、動画配信を通して約10年にわたり「啓発活動」を続けてきた。

2024年2月、副会長の手束正昭氏が死去し、会長であった三谷康人氏(カネボウ薬品元会長)も高齢を理由に引退。後任は「審議中」とされていた。民福協は、「文化適応の伝道」(文脈化)を趣旨の一つに掲げた伝道団体。もともと両会で理事を兼任する役員が複数いたことから、今回の合流が決定された。

日本を愛するキリスト者の会は公式サイト上で、「当会はこれまで『反日左翼ではない』『健全な中道の』歴史観に基づく福音宣教 を目指し、約10年間活動してまいりましたが、今後は、同じく故・手束正昭牧師が設立された『日本民族総福音化運動協議会』(民福協)に合流して、活動を続けることになりました」と説明。

昨年9月に発行された最後の会報誌(第20号)では、「私たち『日本を愛するキリスト者の会』はこれまで、日本人と日本のキリスト教会に巣くう自虐史観を『今そこにある危機』としてとらえ、そのような一方的な歴史観に立った伝道ではなく、客観的で真実な歴史観に基づく伝道を構築していきたいと、このように様々な活動をしてまいりました。まだまだ日本では、『日本は悪い国だった』という悪玉史観に基づく伝道が、様々な教会で行われている現状があります。それがかえって多くの日本人を教会から遠ざけている、という実状もあります」とした上で、「今後も私たちは、日本の歴史、伝統文化には良いことも多々あったのであり、いかに神様がこの国を愛してきてくださったか、その事実を、イエス・キリストの福音と共に、日本人に豊かに伝えていきたいと願っております」と記している。

同会の講演会にはこれまで、柴橋正直(現岐阜市長、元衆議院議員)、西岡力(東京基督教大学教授・当時)、藤岡信勝(新しい歴史教科書をつくる会副会長・当時)、富岡幸一郎(関東学院大学教授)、石井希尚(作家、カウンセラー、牧師、「HEAVENESE」座長)の各氏らが招かれている。

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