中東エルサレムにあるイスラム教の聖地アルアクサ・モスクで起きたイスラエル警察とパレスチナ人信者との衝突を受け、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは10日、イスラエルに向けてロケット弾を発射した。イスラエル軍は報復として、ガザ地区を空爆。ハマスによると、空爆により子ども9人を含む少なくとも20人が死亡、65人が負傷した。AFPBB Newsが伝えた。
ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは、ガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾100発以上を発射したと発表。イスラエル軍はこれに先立つ発表で、発射されたロケット弾は少なくとも45発で、大半がガザとの境界近くに向けられたが、7発はエルサレムに向けて発射されたとしていた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ハマスがロケット弾をエルサレムに向けたのは「一線」を越えた行為だとし、イスラエルは「武力で応じる」と警告した。地元当局によると、ガザ地区空爆による死者には10歳の少女が含まれる。ハマスは、司令官1人が空爆により死亡したと明らかにした。
アルアクサ・モスクはイスラム教徒にとって第3の聖地で、同モスクのある「神殿の丘(イスラム名ハラム・アッシャリーフ)」は、ユダヤ教徒にとっての聖地でもある。同モスクでは、イスラム教の断食月「ラマダン」最終金曜日の7日、イスラエルの警察当局とパレスチナ人信者が衝突。エルサレムで2017年以来最悪の騒乱となった。