主の御名をあがめます。
皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。
聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 新約聖書、ヨハネの黙示録の14章です。よろしくどうぞ。
詩篇 56篇11節
神に信頼し 私は何も恐れません。
人が私に何をなし得るでしょう。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)
人は多くのものを恐れます。災害、病気、死・・・と恐るべきものは多々ありますが、これに加えて大きなものといえば、人でしょう。人は人によって苦しみます。人間関係はもちろんですが、たとえば経済的な問題であっても、大元を辿れば「人」に結び付きます。経済というのは「人」が作ったシステムですし、それを管理している法も「人」が作ったシステムです。近年問題になっているSNSによる「炎上」や誹謗中傷も起こすのは人ですし、マスコミや議会などによるバッシングだって起こすのは人です。こう考えれば、人が恐れるものの最たるものは、災害や病気や死よりも、人なのかもしれません。この社会は人同士が苦しめ合う社会だとさえ言えます。
しかし聖書は言います。「人なんて恐るに足りないよ」と。この箇所だけでなくあちこちで、「人なんか君に大したことはできやしないよ」と教えています。そんなこと言われても・・・という気持ちにもなりますよね、正直。人に嫌われれば生きづらくなるし、人が変なことをすれば自分が被害を被ったり損をしたりするかもしれないし。僕だってこんなコラムを書きつつ、やっぱりどこか人を怖がりながら生きています。
でもだからこそ、神様は「人を恐れるな」と繰り返し語りかけているのでしょう。放っておけば人は人を怖がってしまう。そして恐怖は従属や隷属、あるいは監視や排除を生みます。人が人に従属したり隷属したりすれば、人はその本質や目的を見失ってしまう。人が人を監視したり排除したりすればそれもまた、人がその本質や目的を見誤ってしまう。恐れれば恐れるほど、余計に怖くなってしまうのが人の性。今の世の中は人がお互いに怖がりすぎている状態なのかもしれないとは思います。よく現代日本の社会は相互監視社会だなんて言われますが、監視するのはその対象を恐れているからです。恐れているからこそ、その対象が変な動きをしないかどうか、監視する必要が生じてきます。恐れていなければ監視する必要なんてないんです。
先の選挙で「外国人排除」が問題になりました。それに関連した政策の賛否についてここでは語りませんが、その問題の本質には「恐れ」があるかと思います。「外国人」という存在に対して、「恐れ」を抱いている人が多数いたからこそ、排外主義的(あるいはそのように見える)政党に賛意を示す人がたくさんいたのかと思います。そういう人たちにたいして「排外主義はよくない!」と非難の声を浴びせてもあんまり意味がない、あるいは逆効果なように思えます。だってそれは何かを怖がっている人に「怖がるのはよくない!」と怒るようなものですから。そんなことをしたら余計に怖くなってしまいます。
人は本能的に人を恐れるものです。「外国人」や「意見の異なる人」など、相手についての情報が少なくなりがちな存在であればなおさらです。人は人を恐るのと同時に、未知のものを恐れる性質も持っていますから、「未知の」「人」であれば二重の意味で恐怖の対象になり、そしてそれは監視や排除につながります。よくわからない、よく見えないから怖いんです。「何をするかわからない」から怖いんです。
自分の中に確固とした価値基準、つまりクリスチャンであれば神や聖書ですけれども、があれば必要以上に人を恐れる必要はなくなります。価値基準が相対的であればあるほど、人は人を恐れなくてはならなくなります。「みんながこう言っているから」とか「多くの人が選んでいるから」という理由で自分の価値を決めている人には、人を恐れずに生きることはできません。自分の軸をしっかりとした土台に打ち立てていれば、「外国人」も、反対に「排外主義者」もそれほど恐れる必要はありません。
人間には豊かな想像力が与えられていますから、ついついそれを逞しくして「彼らはこんなことをするかもしれない」「あんな世の中になってしまうかもしれない」と、まだ見ぬ被害を想像して怖くなったりもしてしまいますが、地に足をつけて「今」をきちんと見て、一つひとつのこと、目の前の相手のことに対処することが大切かと思います。
人への恐れが対立や分断を招く。そんなことを考えてみました。
主にありて。
MAROでした。
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