米カトリック司教協議会、大統領令を「慎重に検討」 米NCC、キング牧師の言葉を引用

米国カトリック司教協議会(USCCB)は1月20日、「新大統領が署名すると予想される大統領令に関するUSCCBの声明」を発表し、それらの命令を「慎重に検討」するなどと述べた。

一方、米国キリスト教会協議会(NCCC-USA)は同国の公民権運動指導者、マーティン・ルーサー・キング牧師記念日でもある同日、Xで、新約聖書のテモテへの手紙一2章1節~2節を引用し、「政府の管理人である選出および任命された指導者たちのためにあなたの知恵を求めます。彼らがこの歴史的な瞬間に立ち上がり、すべての人々のために正義の擁護者たちとなりますように」などと記した祈りの文を掲載した。

声明と祈りの全文(翻訳=エキュメニカル・ニュース・ジャパン)は以下の通り。


新大統領が署名すると予想される大統領令に関するUSCCBの声明

USCCB は、トランプ大統領が本日署名すると予想される大統領命令に備えて、以下の声明を発表した。

「司教会議は、トランプ大統領が本日署名すると予想される大統領命令を慎重に検討します。カトリック教会の基本的な教えは、人間の生命の神聖さと神から与えられた人間の尊厳を守るよう私たちに求めています。つまり、移民、難民、貧困者への配慮は、私たちの中で最も弱い立場にある人々、特に胎児、高齢者、虚弱者を保護するよう私たちに求める教会の教えと同じものです。司教協議会はトランプ政権や米国議会と協力し、合意の例だけでなく不一致の例も含め、すべての人にとっての共通の利益を推進していきます」


米国キリスト教会協議会(NCCC-USA)の祈り

「そこで、まず第一に勧めます。願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人のために献げなさい。王たちやすべての位の高い人のためにも献げなさい。私たちが、常に敬虔と気品を保ち、穏やかで静かな生活を送るためです」(テモテへの手紙一2章1~2節=聖書協会共同訳)

全能にして永遠なる神よ、

この就任式の日に、私たちはあなたの前に希望と夢を捧げ、新しい政権が歩み始めるにあたり、私たちの国のためにあなたの御顔と導きの手を祈り求めます。私たちは、政府の管理人である選出および任命された指導者たちのためにあなたの知恵を求めます。彼らがこの歴史的な瞬間に立ち上がり、すべての人々のために正義の擁護者たちとなりますように。

私たちは、私たちの指導者たちが私たちの国の必要を識別し、共通の人間性の糸を結び付けて和解の器となることができるように洞察力を求めて祈ります。より良い都市、より強いコミュニティ、そして統一された国家を目指して努力する中で、彼らと私たちが愛をもって耳を傾け、平和に共に働き、相互尊重のもとに協力できるように力を与えてください。

私たちが共に集まり、公正に行動し、慈悲を愛し、正義を行うというあなたの召命を果たせますように。恐れではなく愛から行動できるように力を与えてください。正義がこの世の悪に打ち勝つように、私たちを用いて真実と正義の幻を推し進めてください。
信仰の盾を高く掲げ、否定と疑念の燃える矢から身を守り、国家として堅固に立ち向かえるよう助けてください。私たちを用いて、自分と異なる人々への憎しみや、最も弱い者への無関心の流れを変えてください。マーティン・ルーサー・キング牧師が唱えた、あなたの救いの愛に根ざした愛すべき共同体となることを体現できる新しい季節を迎えられますように。

そして今、あなたの愛の光が私たちの中に明るく輝きますように。ホワイトハウスから、そしてすべての家から、より明るい未来への希望をもって、私たちの行動と決断を導いてください。地球を大切にし、次の世代のためにその持続可能性を目指すよう教えてください。
子どもたちが住んでいる場所や学校に通っている場所で、子どもたちを傷や害、危険から守れるよう助けてください。すべての指導者たちとすべての市民が、多様性の中で平等と団結の道を追求できるよう力づけてください。

避け所を求める見知らぬ人を歓迎し、違いを脅威ではなく賜物として見る方法を教えてください。無力だと感じる人々に勇気をもって力を与え、困っている人々に支援を提供できるよう、私たちを促してください。

イエスの御名においてその通りです。アーメン。

(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)

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