南太平洋のバヌアツ共和国沖で12月17日にマグニチュード7.4の地震が発生し、死者14人、200人が負傷した。これを受けて、同国最大の教会であるバヌアツ長老教会とつながりを持つオーストラリア合同教会は17日、フェイスブックで、「ひどいニュースです。私たちの心は、今日の破壊的な地震に見舞われたバヌアツの人々、そしてバヌアツ長老派教会のキリスト教徒の友人たちとともにあります。私たちは太平洋の家族に愛を送り、これからの非常に困難な日々に安らぎと安全と強さを祈っています」と記した。
オーストラリア合同教会の援助組織であるユナイティング・ワールドも、同日、フェイスブックでオーストラリアのテレビ局による報道を引用しつつ、「バヌアツから悲惨なニュースと画像が届きました。被害を受けたすべての人々と、私たちのパートナーであるバヌアツ長老派教会のためにお祈りください。私たちは彼らに連絡を取り、進展があれば随時お知らせします」と伝えた。
また、メラネシア聖公会も17日、フェイスブックで、「(首都)ポートビラのために祈りましょう:マグニチュード7.4の地震がバヌアツを襲う」という見出しで記事を投稿。「今日の午後、マグニチュード7.4の強力な地震がバヌアツのポートビラを襲い、多くの被害をもたらしました。そこにいる兄弟姉妹たちに死、恐怖、トラウマを与えました」と記した。
「被害の全容はまだ調査中ですが、この困難な時期に彼らのために祈ることは、クリスチャンとして私たちの唯一の責任です。現段階で災害の被害を受けた人々の安全、安らぎ、回復力のために祈ってください。
ポートビラと、この壊滅的な出来事の影響を受けたすべての人々のために、一緒に祈りましょう。メラネシア聖公会では、ポートビラはバヌアツとニューカレドニアの教区に属しています」と、同聖公会は続けていた。
カトリックの援助組織であるカリタス・アオテアロア・ニュージーランドは17日、X(旧ツイッター)で、「バヌアツの人々に祈りと思いを捧げます」と記し、「ニーズを把握したら、提供できる人道支援を検討します」と続けていた。
オーストラリア聖公会宣教局(ABM)は、被災者救援のための献金を訴える緊急アピールと祈りの文を、英文公式サイトで発表。
カリタス・オーストラリアは18日、国連人道問題調整事務所(OCHA)が提供する救援活動サイトを通じて、バヌアツ地震の被災者に対する救援を訴えるアピールを開始したと発表するとともに、自らの公式サイトで寄付を呼びかけている。
太平洋教会協議会(PCC)のパドレ・ジェームズ・バグワン総幹事は、議長の長老であるレアトゥラギ・ファアレヴァオ博士に代わってバヌアツのPCC加盟教会に連絡を取り、今週発生した二つの地震の余波の中で、太平洋にある神の家がバヌアツの兄弟姉妹のために祈りを捧げていることを伝えたという。
「この非常に困難で辛い時期に、クリスマスやお祝いのことを考えるのは非常に難しいことは承知していますが、無防備な小さな赤ん坊として現れた神の恵みが、この極めて脆弱な時期に皆さんに希望を与え、聖霊の力を通して強さと勇気を得て、この自然災害に立ち向かう力になれるよう祈っています」
バヌアツは太平洋諸島のメラネシアの一部。世界教会協議会(WCC)によると、この島々にはおよそ4千年前に人が住み始めた。1906年、フランスとイギリスは当時ニューヘブリディーズ諸島と呼ばれていた島々の共同所有に合意。1960年代、バヌアツの人々は自治と独立を強く求め始め、後者は80年に達成された。初代首相は英国教会の司祭で、この地域で新しい国家に政治的に進歩的なイメージを与えようとした。経済的には、バヌアツの人々は自給自足の農業と漁業で生計を立てており、観光業が重要な収入源。キリスト教は19世紀にバヌアツに伝わり、最大の教会は長老派教会。英国教会のコミュニティはメラネシア教会の一部で、同教会はソロモン諸島に本部を置き、WCCに加盟している。これら二つの教会はカトリック教会とともにバヌアツ キリスト教協議会を構成している。他の二つの大きな教会は、キリスト教協議会と提携しているアッセンブリーズ オブ ゴッド(ペンテコステ派)とセブンスデー・アドベンチスト。いくつかの小規模な福音派やカリスマ派のグループも存在し、成長を続けているという。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)