エビフライは好きだけど毎日エビフライはツラい【聖書からよもやま話483】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、伝道者の書の3章です。よろしくどうぞ。

 

伝道者の書 3章13節

また、人がみな食べたり飲んだりして、すべての労苦の中に幸せを見出すことも、神の賜物であることを。(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

僕はずいぶんとズボラな性格をしているものですから、朝起きる時にしょっちゅう「このままずっと寝ていたい」と思いますし、実際に予定をすっぽかしてそうしたことさえあります。ただそんな時に、数時間後に気づくことは「そんなに寝てばかりもいられないな」ということです。朝起きる時は「このまま一日中寝ていたい」と思っても、実際に一日中寝てみようとすれば、なかなか人間それほどは寝てられないということに気づきます。まぁがんばれば24時間くらいは寝られるかもしれませんけれど、48時間寝ていろと言われたらそれはむしろ苦行の域に入ってきます。病気か何かで寝ていざるを得ない状況に置かれたら「早く起きたい」と思うのは誰もが一度は経験のあることではないでしょうか。

大好きなドラクエをやっている時だって「こんな楽しいもの、一日中でも丸一週間でも丸一ヶ月でもやり続けたらどんなにか幸せだろう」と思うものですが、実際に連休か何かのときに「よし、連休はずっとドラクエをやるぞ!」と思っても、意外とそれほど幸せではないものです。

哲学者ヒルティは『幸福論』の中でこんなことを言っています。「幸福とは労働と労働に挟まれた一時の休息のことである」と。きっとこれは正しいんだろうなと思います。お正月とかゴールデンウィークとかお盆とか連休は嬉しくて幸せなものですが、期間を区切られずにずーっと休みと言われたらちょっと不安になってきたりもするでしょう。一生生活に困らないだけのお金を手に入れて、生きるためには仕事をする必要はもはやない、という方でも多くの方は仕事を辞めることはせずに何かしらの仕事をし続けるそうです。

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UnsplashJonathan Borbaが撮影した写真

幸せは労苦の中に紛れ込んでいるからこそ輝くのかもしれません。たくさんの石ころのなかにビー玉が一つあったらそれはとても輝いて見えますけど、たくさんのビー玉の中にビー玉があってもそれはただのビー玉です。子どものころ、道に落ちているパチンコ玉を集めるのが好きだった時期があったんですけども、それは時々しか見つからないから子どもの僕にとって輝いて見えたのであって、そこら中にゴロゴロ転がっていたり、ましてパチンコ玉の海みたいなところに連れていかれたりしたら、ちっともまったく嬉しくなかったでしょうし、僕は見向きもしなかったでしょう。セミの抜け殻も松ぼっくりもまん丸ドングリも四葉のクローバーも、日常の中に時々見つかるから嬉しかったのであって、そればっかりに囲まれていたら意外と嬉しくないものです。エビフライもハンバーグも時々出てくるからワクワクするのであって、毎日エビフライとハンバーグだったら一週間くらいで飽きるものですし、一ヶ月もそればかり食べ続けたらきっともう見るのも嫌になることでしょう。

幸せってそんなものなのでしょうね。

 

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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