アフリカの南スーダンの教会が人道支援を求めて訴えている。これは、気候変動、マクロ経済の衝撃、そしてスーダンにおける戦争が同国を独立以来最悪の人道危機へと沈ませることになりかねないという恐れのただ中でのことだという。世界教会協議会(WCC)が3月26日に公式サイトで伝えた。
2011年に独立を勝ち取った約1100万人からなる世界で最も若い国家である同国だが、12年以上経った今、同国の教会は、新たな緊急事態が、平和・和解と癒やしの働きを複雑にさせていると懸念している。
治安の欠如や民族間の暴力を含む複数の要因の組み合わせによって、人口の大部分が救援物資に頼って生活しているかまたはそれを必要としている。400万人を超える人々が住処を追われ、200万人を超える人々が国内避難民となり、そして220万人が近隣諸国で難民となっている。
「治安状況は改善しておらず、共同体同士の暴力が増大したことで民間人の犠牲者や新たな立ち退き、そして援助活動家たちにとって非常に治安の悪い環境が出る結果をもたらしています」と、南スーダン教会協議会総幹事のジェームズ・オイェット・ラタンシオ牧師は語った。「物流に関する巨大な課題を超えて、南スーダンは人道活動家たちにとって最も危険な国々の一つであり続けており、2023年には彼らのうちの34人が殺されました」
同国の教会は平和構築のメッセージや活動をもって何百万人もの市民に手を差し伸べてきており、それらはその共同体に癒やしや赦し、和解を唱え、そして希望を与えるものだという。
同国は12月に総選挙を行うことを望んでいるが、しかし市民たちの焦点が平和的な移行、選挙の準備、そして経済的安定のための平和的な選挙である一方で、治安の欠如がその実施を複雑にしかねないと教会指導者たちは懸念している。
「教会が癒やしや赦し、和解を説き、そして希望をもたらすというその使命を前進させるのを支えるために、教会は技術的にも資金的にも地方や地域、そして国際的な支援を期待しています」と同司祭は語った。
今年は、人道援助機関の予測では、南スーダンの900万人――その54%は子どもたちだが―に人道支援が必要となるだろうという。4月から7月まで作物の収穫量が最も減る時期に、700万人を超える人たちが深刻な食料不安になるだろうという。
「気候変動の影響や、マクロ経済の衝撃、そしてスーダンにおける戦争の影響が組み合わさって、南スーダンは独立以来最悪の人道危機へとさらに沈みつつある」とラタンシオ牧師は話した。
今や、地球規模の気候変動の危機と結びついた洪水が、一部の地域で深刻な食糧不足の恐れを引き起こしたという。
「私はユニティー州とルウェング行政区画にいました。私がいくつかの地域の教会を訪ねたら、ユニティー州の洪水のせいで食糧不足の恐れが多くあるのです。洪水のせいで、多くの人々が国内避難民キャンプにおり、(首都)ジュバでは経済状況が安定していないのです」と、南スーダン長老福音教会議長のトーマス・トュット・プオット牧師はアビエイ州とジングレイ州における共同体同士の紛争を強調しながら言った。
最も被害が大きいのは女性たちや子どもたち、お年寄りたち、そして障がい者たちで、140万人を超える子どもたちが今年、急性の栄養失調に苦しむだろうと予測されている。
カトリックトムブラ教区ヤムビオのエデュアルド・ヒイボロ・クッサラ司教によると、食料不足とは別に、子どもたちの多くは、治安の欠如や、兵士として強制的に徴兵される恐れのために学校に通っていないという。
「これによって学校に通っていない子どもたちの数が急増し、その大多数がすぐに路上生活をする子どもたち(ストリート・チルドレン)になっているのです。これ…ストリート・チルドレンの数の増大は、すぐに取り組まないと、この国の治安に悪影響をもたらすでしょう」とクッサラ司教は言った。
同時に、教会は、食料やその他の基本的に必要なものの配布を通じて、スーダンにおける戦争によって立ち退かされた何千人もの帰還者たちや難民を援助している。同国は、スーダンから最近到着した11万人を超える人たちを含む40万人の難民や、帰還しつつある45万人を超える人たちを迎え入れている。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)