何よりもまず、心を込めて愛し合いなさい。愛は多くの罪を覆うからです。
ペトロの手紙一4章8節(参照箇所同書4:7〜11)
愛することができる人間は、他者との間に温かい関係をつくることができます。それは人が成熟したしるしです。未成熟な人間は敵をつくります。対立した関係が付きまとい、絶えず他人のことが気になるでしょう。
愛とは、人間関係の土台となるものです。そして相手をとことん受け入れて行く、営みです。相手を受け入れるとは、相手がどのような生き方をするにしても、それを「よし」とすることです。どのような生き方であれ、「よし」とするとは、ときとして相手が敵意をもって返すことがあっても、なお「よし」とすることを意味します。しかし主は、「あなたの敵を愛しなさい」と言われます。敵を愛するとき、そこに心地よさがあろうはずはありません。憎しみが湧き、怒りが込み上げ、傷付きます。にもかわらず、そこに愛があるなら、それらを愛が覆います。愛以外の何が、それらを覆うことができるでしょうか。
愛をもってする以外に回復の道がない人間関係があるなら、「心を込めて愛しなさい」という言葉をもう一度見つめることです。