牧田吉和著 改革派教義学4 キリスト論(朝岡勝)【本のひろば.com】

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評者: 朝岡勝

三位一体論的なキリスト論
〈評者〉朝岡勝


改革派教義学4 キリスト論
牧田吉和著
A5判・328頁・定価5280円・一麦出版社
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神戸改革派神学校の企画による『改革派教義学』(全7巻+別巻)が、市川康則先生による第3巻『人間論』(2012年10月)に始まり、この度の牧田吉和先生による第4巻『キリスト論』をもって全巻完結したことを感謝し、御名をあがめます。ここに教会の伝道と形成を推し進めるための本格的な教義学が与えられたことは、日本の教会への主からの大きな励ましではないでしょうか。
著者は「あとがき」において本書執筆の基本姿勢を「できる限り正統的な神学的伝統を明らかにし、とりわけ歴史的改革派神学の遺産を重んじ」る、「オランダ改革派神学の神学的成果を取り入れる」、「神中心的な包括的視野の中でキリストとその救いの御業をとらえる」と述べておられます(323頁)。これに沿って序論ではキリスト論の教義学全体との関係とキリスト論内部の各論の関係が整理され、第一部の「人格論」では、三位一体論と並んでキリスト教神学の屋台骨であるキリスト二性一人格論が、古代以来のキリスト論の教理的形成に沿って論じられます。第二部の「状態論」ではキリストの謙卑と高挙という二つの「状態」(state)について、改革派神学の特色とも言える律法との関係を軸に論じられます。第三部の「御業論」では、これもまた改革派神学の特色である贖いの仲保者キリストの「預言者」、「祭司」、「王」としての三職(三重の職務)論が展開されています。

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