クリスチャン・アーティストのナイトdeライトが24日、西日本豪雨のためのチャリティー・コンサートをシオン・キリスト教団・蒲田教会(石田敏則牧師)で開いた。また、日本聖約キリスト教団・南輝聖約キリスト教会(岡山市)牧師の吉岡創さんと町田聖書キリスト教会(東京都町田市)牧師の山尾研一さんがボランティア報告を行った。
岡山キリスト災害支援室(岡キ災)で活動している吉岡さんは冒頭、このように話した。
「岡山は日本一日照時間が長い県で、『晴れの国岡山』がキャッチフレーズ。岡山は安全な場所、災害など起きるはずがないと思っていた。これまで支援することはあったが、今回、初めて支援される側になった。民間の支援団体が『雨のち晴れの国岡山。やっぱり晴れるで』というコピーを作ったが、キリスト教会では『岡山はハレルヤの国だ』と言って励まし合っている」
今回、岡キ災が支援に入ったのは、大きく報道されていた倉敷市真備町。近年、ベッドタウンとして、若い世帯が好んで家を建てた。そのため、被災した家屋も、築30年以下の比較的新しいものが多く、建ったばかりの家が浸水した例も少なくない。吉岡さんが聞いた話によると、鍵を渡されて新築のマイホームに足を踏み入れたところ、その夜から雨が降り続いて、近くの川の堤防が決壊し、被災したというケースもあった。
真備町では4000棟以上が全壊、51人が亡くなった。6月までの人口は3カ月連続で伸びていたが、7月には543人が真備町を去ったという。
岡キ災は、災害から4日後に発足。週明けの7月16日には活動を開始した。こんなに短時間で動くことができたのは、40年を超える超教派の交わりがあったこと、平時での交わりが有事での連携につながったこと、宣教協力によって初動に使える資金があったことなどによる。
現在までのボランティアの数は922人(23日現在)、献金総額は1481万4387円(21日現在)。これまでの泥かきなどの支援活動は9月末で終了するが、その後は子どもたちのケア、仮設住宅への支援などに活動を移行する。
報告の最後に、吉岡さんはこのようなエピソードを紹介した。
「被災した家の庭先で、家主の了解を得て皆で祈っていると、ご婦人が号泣しだしたのです。『キリストさんたちは本当によくしてくれている。本当によくやってくれた。近所の人たちは、「きっとここに教会が建つね」と言っている』と話してくれました。真備町は古い町ですが、教会が一つもありません。この町での1カ月の活動で神様の栄光を現すことができたら、岡山にいる牧師として、こんな感謝なことはありません」
キリスト教会・広島災害対策室で活動をした山尾さんは、広島県呉市での報告を行った。呉市のボランティア・ベースは8月10日で閉鎖し、宿泊型のボランティアは終了したが、通いのボランティアは今も受け入れ、毎週火曜日と金曜日に活動をしている。
「まだまだボランティアのニーズはあるが、最近、急激に数が減って、いちばん被害の大きかった地区にボランティアを送れていないと聞いている。広島は、おもに土砂災害がひどかった。岡山も同じだが、今年の夏は記録的な猛暑。連日、熱中症との戦いだった」
活動中は、1時間に1リットルの水を飲む。20分作業をして10分休憩をとり、また20分作業をする。これを繰り返しながら、半日または1日作業をするが、その休憩の合間にも被災した家庭の方々から話を聞き、心を通わせることができるのだという。
「本当の意味で心を寄せて祈ることは、被災地を離れた後でもできる。これが真のボランティアなのだと思う」と山尾さん。
報告の後、再びナイトdeライトが登場。満席となった会場を盛り上げ、祈りと献金の後、幕を閉じた。