その後、わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。あなたたちの息子や娘は預言し、老人は夢を見、若者は幻を見る。
ヨエル書3章1節(参考箇所同書3章1〜5節)
この個所はペトロがペンテコステの出来事の預言であるとして説教の中に引用しました(使徒言行録2章17節以下)。
ヨエルは前4世紀頃のエルサレム在住の人です。時代的にはペルシアの支配体制がやや衰えを見せ始めた頃で人々の間に新しい時代の到来を待望する機運が芽生えていました。
ヨエルのこの預言は、神が到来して救いを完成する主の日について語ったものです。この主の日は新約に受け継がれ、ペンテコステとなり、キリストの日と呼ばれ(フィリピ1章10節)、主の復活日である聖日をも意味するようになりました。この主の日には神の霊が「すべての人に」注がれるとヨエルは言います。「すべての人に」というように、特別の人にではありません。すべて神の霊を注がれた人はそれぞれに神の働きが与えられ、「あなたたちの息子や娘は預言し、老人は夢を見、若者は幻を見る」のです。これこそ今日の教会に集う、すべての人々に起っていることです。教会には若者は若者として、老人は老人としての神の働きが与えられていることをわたしたちはよく知っています。まさしく神の霊が注がれる、ペンテコステの出来事というべきことが今日もなお教会で起っている証です。