チャイルド・ファンド・ジャパン(東京都杉並区、代表:長山信夫)は、加盟する国際的なネットワーク組織であるチャイルド・ファンド・アライアンスが、ウクライナ国内外の子どもたちとその家族を支援する包括的な支援計画を策定したことを発表した。7億円(580万ドル)規模の支援で、食糧等の配布や心のケアなどを47,000 人に届ける予定だ。
ロシア軍によるウクライナ侵攻は、民間人にも多大な影響を及ぼし、3月26日時点で、子どもたちも130人以上が亡くなったと伝えられている。深刻化する人道危機に、チャイルド・ファンド・アライアンスは、20年近くにわたってウクライナで活動してきたチャイルド・ファンド・ドイツの経緯を生かし、ウクライナ国内での緊急支援を迅速に開始した。
これまでに4,900人以上の子どもとその家族に支援物資を届けてきたが、戦闘に収束の兆しが見えない中、支援の継続が必要となっている。子どもたちの心のケアも課題で、現地で支援活動をしているイタリアのスタッフは、「母親が数メートル離れて視界から見えなくなっただけで、泣き出し、パニックになっ てしまった女の子もいる」と、子どもたちが不安と恐怖に苦しめられている現状を語っている。
事態が長期化する中、チャイルド・ファンド・アライアンスは、これまでの支援活動において把握した現地の状況やニーズなどをふまえ、7億円規模の包括的な支援計画を策定した。加盟団体であるチャイルド・ファンド・ドイツ、および WeWorld(イタリア)が中心となり、ウクライナ国内で 27,000 人、 隣国のモルドバにおいて21,000 人に支援を届ける予定だ。
具体的な支援として、①食糧、医薬品、乳児食品、おむつ等の配布など物資の支給、②難民の他国への移動の交通費等にあてるための現金支給、③避難所の設置・整備支援、④子どもの居場所づくりやレクリエーションによる心のケアをあげている。
この活動を受けてチャイルド・ファンド・ジャパンでは、ウクライナ緊急支援への寄付を受け付けている。ウクライナの子どもたちを守るため、力を貸してほしいと広く呼びかけている。
チャイルド・ファンド・ジャパンは、アジアを中心に貧困の中で暮らす子どもの健やかな成長と地域の人たちの自立を目指し活動するNPO法人。その源流は、1948年、アメリカの民間団体であるキリスト教児童基金(CCF)による日本の戦災孤児への支援活動に遡(さかのぼ)る。また、チャイルド・ファンド・アライアンスは、子どもへの支援に取り組む12の団体からなる国際的なネットワークで、チャイルド・ファンド・ジャパンは2005年4月に加盟した。貧困やその原因となっている環境を改善するために、70カ国以上で2,300万人以上の子どもたち、家族とともに活動している。