実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。
ルカ17章21節(参考箇所同書17章20〜35節)
人々にとっても神の国はまるでばら色のような国に思われたのでしょう。彼らの思いを代表するかのように、ファリサイ派の人々がイエスに尋ねたのでした。「神の国はいつ来るのか」(20節)。
人々は神の国をまるで自然現象を目の当たりに見るかのように、また特別の土地であるかのように期待していたことが伺えます。彼らの思いは、神の国が来るのなら早く見せてくれ、はっきり知りたいと言っているようなものです。
イエスは、それに対して「実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ」と言われたのです。「あなたがたの間にある」とは、人々の営みの中にすでにあるということです。イエスは「神の国は見えるかたちでは来ない。『ここにある』、『あそこにある』と言えるものでもない」と言われます。手に取って見たり、眺めたりと、外から対象化することはできないということです。「あなたがたの間にある」とは、もし神の国を見ようとするなら、なによりもわたしたちの心も体も生活も含めて、人間であることのすべてに、何が起っているかをよく見ることです。もしそこに恵みを発見するなら、それこそ神の国がそこにある証拠です。