コロナ禍の死者増に伴い宗教的な葬儀を望むアメリカ人が増える傾向

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無宗教の葬儀を望む傾向がこの10年で初めて逆転している。米「クリスチャニティ・トゥデイ」が報じた。

2020年、2021年のアメリカは死者であふれた。疾病管理予防センターの予備データによると、2020年には2019年より約57万人多い死者数を数え、そのうち約35万人がコロナ禍に起因していた。2021年の秋までにさらに35万人が新型コロナウイルスで死亡し、死者数は70万人を超える。

南北戦争の4年間にほぼ同数の人々が亡くなっており、アメリカ文化に大きな影響を及ぼした。『苦しみの共和国――死とアメリカ南北戦争』の著者ドリュー・ギルピン・ファウスト氏によれば、墓地への関心が高まり、家族写真の重要性が高まり、死者と交信するための新しい宗教運動である霊能者の人気が急速に高まったという。

コロナ禍の死者がアメリカの文化にどのような影響を与えるかは未知数だが、一つの変化が注目されている。愛する人の葬儀において宗教が「とても重要だ」と答えた40歳以上の人々の割合は、この10年で初めて上昇した。葬儀業界の年次調査で、葬儀における宗教の重要性は2020年に10ポイント跳ね上がり、2021年にはさらに2ポイント上がった。

アメリカ人の多くは、まだ葬儀で宗教を重要視していないが、新たな必要性を感じている人々は増えている。厳格な福音派の家庭で育った無神論者のサラ・ジョーンズ氏は、祖父の記念碑がないことを悔い、その経験を「ニューヨーク・マガジン」に記している。

「祖父のために旗を立てることはできたが、それは薄っぺらく感じる。私は記念碑に何を求めようとしているのかわからない。精神的な浄化なのか、比喩的意味なのか、それ以外の何かを合わせたのもなのか……。何百回と考えた。おそらく私は教会に行くべきだと。わかったのは、他の人も多くの葬儀で同じような感覚を抱いていることだ」

(翻訳協力=中山信之)

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