【米クリスチャニティ・トゥデイ】「#MeToo」被害者に、臨床知識に裏づけされた霊的に健全なセラピーを

 

ハーメイシャ・ホプソン(心理セラピスト)インタビュー

この世に存在する苦しみはあまりに多い。コンサート会場や教会での銃撃事件、子どもが銃で撃たれる事件、女性を食い物にする芸能界の重鎮、300人以上の女児にいたずらをした性犯罪者、武装していない市民に暴力を振るう警官など、昨年、米国国内で報道されただけでも、枚挙にいとまがない。私たちの私生活でも、家庭内暴力や児童虐待、またそれ以外のトラウマ(心的外傷)体験を目の当たりにすることがある。

教会は、嘆き悲しむ者と共に悲しみ、苦しむ者を慰めることに召されている。しかし、友人や家族であっても、悲嘆の旅路を共に歩むことは簡単なことではない。心理セラピストで、ソーシャルワーカーの資格も持ち、聖書カウンセリングが専門のハーメイシャ・ホプソンは、トラウマ体験のサバイバーに伴走する仕事に熟知している。ホプソンは、ノースカロライナ州ジャクソンビルで保護施設のカウンセリングおよびコンサルティング・サービス会社を運営しており、深刻なトラウマ体験の被害を受けた人たちを10年以上にわたり治療してきた。

ハーメイシャ・ホプソン

最近行われた「CTウィメン」(クリスチャニティー・トゥデイの女性向けウェブサイト)とのインタビューで、ホプソンは、教会や家庭、また個人が聖書的に健全な方法でトラウマに対処することについて、次のように語った。

──トラウマをどう定義されますか。

思い出すと不穏な気持ちになり、圧倒的で制御できない感情で反応してしまうような経験のことです。ペットや愛する人の死、子どもの頃の性的トラウマなど、トラウマ体験にはありとあらゆるものがあります。トラウマがあると、人はしばしば集中力をなくしたり、睡眠障害や悪夢といった問題に悩まされたりします。何かきっかけがあると、もはや手に負えない状態になり、簡単に立ち直ることができないほどです。

──トラウマ体験で苦しむ人を助けたいという熱い思いを持つようになったのはどうしてですか。

私自身、性的トラウマ、そしてキリストの体である教会でのトラウマ体験をした者です。同じように苦しむ人のために働きたいという私の思いは、自分自身の回復の過程で生まれたものでもあります。今日、私のミッションは、教会がもっと健やかになるように支援することです。私たちは正統的なキリスト教を信じています。私たちが信じているものは、人を変えることのできる真実です。けれども残念ながら、正しい信仰と正しい行為の間には断絶があるのです。その理由の多くは、私たちの感情の健やかさと関係があります。

──ご自身の癒やしをもたらしたものは何だったのですか。

セラピストの助けを求めたのですが、偶然にも彼女はクリスチャンでした。しかも、臨床的な訓練も受け、聖書的にも健全な人だったのです(このような資質を兼ね備えた人はそうそういません。信仰と臨床的知識の両方がある人を見つけるのは、ユニコーンを発見するようなものです)。セラピーを受け、聖霊と祈りによって心が変えられることを通して、私は癒やされ始めました。

──神に対しても怒りを感じていたのに、祈り始めることは大きな一歩だったでしょうね。

私たちにとって、自分の中にある怒りの感情を認めるだけでも難しいことです。私たちはネガティブな感情を罪深いものとして避けがちです。けれども、聖書を読めば、主はあらゆる種類の感情を経験されたということが分かります。怒りもその例に漏(も)れません。主が最も気にかけておられるのは、私たちがこうした感情を抱くことではなく、いかにそれに対処するかなのです。(次ページに続く)

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「クリスチャニティー・トゥデイ」(Christianity Today)は、1956年に伝道者ビリー・グラハムと編集長カール・ヘンリーにより創刊された、クリスチャンのための定期刊行物。96年、ウェブサイトが開設されて記事掲載が始められた。雑誌は今、500万以上のクリスチャン指導者に毎月届けられ、オンラインの購読者は1000万に上る。

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