ミャンマーにおける今年2月1日の軍事クーデターの発生から、早200日あまりが経った。筆者は今年の春学期、延世大学で一つのオンライン授業を担当したが、世界各地から参加する10人の博士課程の学生の中にはミャンマー人学生が2人いた。3月に授業が始まった際には2人ともミャンマーのヤンゴンから授業に参加していたが、そのうちの1人は周辺から聞こえてくる銃声に身の危険を感じ、故郷に避難した。ヤンゴンに残ったもう1人は、インターネットが遮断され、4月から休学することになった。このように2人の学生の状況からもミャンマーが置かれた状況の困難さがひしひしと伝わってきた。
今回は、韓国のプロテスタントがミャンマーの軍事クーデターおよび民主化に対してこの7カ月間、どのような活動を行ってきたのかについて紹介したい。
韓国のプロテスタント教界はこの間、ミャンマーの民主化への支持を継続して表明してきた。2月24日には韓国基督教教会協議会(NCCK)が要請文を発表し、「民主主義の価値を実現するために多くの犠牲を払った韓国教会と社会がミャンマーの痛みに共感し、祈り、連帯することはふさわしいこと」であるとし、韓国教会がミャンマーの民主化のために連帯しなければならないことを訴えた。3月18日には、NCCKをはじめ100あまりのプロテスタント関係団体・教会が集結し、「ミャンマーの民主化のためのキリスト教行動」という名称の組織を発足させた。このキリスト教行動は、受難節一食断食募金運動や討論会の開催、SNSに3本指(抵抗のサイン)の写真を掲載する「木曜行動」など、さまざまな活動を他の市民団体や宗教団体と共に推進してきた。その他にも、韓国教会総連合などのプロテスタント団体がミャンマー市民による民主化運動への支持を表明し、韓国キリスト者の関心を喚起するのに努めてきた。
なお、日本キリスト教協議会(NCCJ)などアジアや北米のキリスト教諸団体を主な構成団体とする「ビルマ・プラットフォーム」という名の協議体が結成され、ミャンマーの民主化のための国際的な連帯活動を展開しているが、その結成にあたっては、NCCKの尽力が大きかった。