学校法人関西学院(兵庫県西宮市)は26日、理事会を開き、昨年12月に逝去した平松一夫(ひらまつ・かずお)理事長の後任に、第9代日清製粉グループ社長(現在は特別顧問)で、同学院理事の村上一平(むらかみ・いっぺい)氏(76)を新理事長に選任した。就任は4月1日で、任期は、平松理事長の残余期間にあたる2022年3月31日まで。
村上氏は、1945年生まれ。大阪府出身。関西学院中学部・高等部を経て、67年に関西学院大学経済学部卒業。その後、日清製粉株式会社に入社し、日清製粉グループ本社常務取締役、専務取締役を歴任し、2007年から取締役社長を務め、11年4月に取締役相談役に退いた。同年7月から特別顧問。15年4月から3年間は関西学院同窓会長、16年4月から関西学院理事を務めている。外部団体では、東洋英和女学院理事・評議員、日本聾話学校理事・評議員。
また、日清製粉グループ本社社長を退任後、2012年に関西学院大学文学研究科博士課程前期課程に入学。14年に同研究科博士後期課程に進み、単位取得満期退学後、同研究科研究員として現在に至る。大学院では以前から好きだった歴史を学び、研究テーマは「日本の農業政策と地域農業のかかわり」で、日本史の中で自分のこれまでの経験を参考に研究できる「戦後の高度成長期前後」に時代を絞ったという。大学院在学中、関西学院後援会が行ったインタビューで、次のように話している。
現役のみなさんは、まずは「今いる場所でやるべきことを最大限やる」ことが大切だと思います。置かれた場所で与えられた仕事に「一所懸命」取り組む。一方で、一生かけて何かに情熱を注ぐ「一生懸命」も大切です。それは私の場合は文字通り「学び」となりましたが、人によっては「信仰」かもしれませんし、人それぞれなんでもいいと思います。自分の興味のあることをずっと続けること。その姿勢を一生維持していくこと。人生において「一所懸命」と「一生懸命」、国語辞典的には同じ意味ですが私としては、この2つをいつまでももち続けることが大切ではないかと考えています。