教皇が新回勅を発表 「パンデミックが自由市場の失敗を証明した」と訴え 2020年10月5日

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 教皇フランシスコが10月4日に、回勅「フラテッリ・トゥッティ」を発表した。教皇はその中で「パンデミックにより、自由市場ですべてを解決することはできないと示された」と述べて、改革の必要性を訴えた。「フラテッリ・トゥッティ」とはイタリア語で「兄弟である皆さん」という意味で、教皇フランシスコが発表する回勅としては今回が3番目となる。

 公設バチカン・ニュースによると、教皇は、新回勅を兄弟愛と社会的友愛をテーマにしたものと説明。先の回勅「ラウダート・」同様、聖フランシスコからインスピレーションを得た新回勅を、昨3日、アッシジに行って、同聖人の墓の上で、神に捧げた、と述べた。

 そして、時のしるしは、ヨハネ23世、パウロ6世、ヨハネ・パウロ2世ら、聖人教皇たちがすでに指摘したように、人類の兄弟愛と被造物の保護が、統合的発展と平和に導く唯一の道を形作るものであることを、明らかにしている、と話した。

 バチカンの機関紙「オッセルバトーレ・ロマーノ」は、新回勅を記念した特別号=写真=をサンピエトロ広場内外の巡礼者たちに配布した。教皇は、オッセルバトーレ紙が、この日の特別号をもって紙媒体の発行を再開したことを喜びと共に告げた。同紙はパンデミックの影響でウエブ版のみとなっていた。

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