駐日教皇大使のジョセフ・チェノットゥ大司教が8日の午前1時29分、入院先の聖母病院において帰天した。76歳だった。日本での追悼行事等は現段階では未定となっている。
カトリク中央協議会のホームページによると、昨年11月、教皇フランシスコの訪日行事の一連を無事に終えた後、故郷への里帰りを楽しみにしていた。しかし、新型コロナ・ウイルスの関係で帰国がかなわない中、5月8日に居室にて倒れ、闘病中での訃報となった。
チェノットゥ大司教は1943年、インド・ケララ州のコカマンガラムに生まれ、69年に司祭叙階。カメルーン、トルコ、イラン、教皇庁国務省外務局で、また臨時教皇大使代理としてベルギー、スペイン、北欧諸国、中華民国(台湾)で活動。99年に司教叙階。2011年10月に来日し、駐日教皇大使に着任した。
日本とバチカン市国の関係は、1549年のフランシスコ・ザビエルの日本上陸まで遡(さかのぼ)る。1919年ベネディクト15世の時代に、教皇庁使節館として設置され、42年には、日本とバチカンの正式な外交関係が成立した。それ以降、公使館を経て66年に大使館となった。歴代の駐日教皇大使は、ローマ=カトリック教会より任命され、チェノットゥ大司教は大使館設置後、7人目の大使となる。