ドキュメンタリー・ドラマ「イエス・キリストの生涯」第1話が8月27日からユーチューブで無料配信されている。8日現在、すでに1万6000回以上再生された。
アマゾン・プライム・ビデオで6月に視聴数トップを飾ったことから、ユーチューブでの特別配信が決定されたという。より多くの人にこの世界一有名な人物の物語を知ってほしいという思いからだ。
「イエス・キリストの生涯」(原題;JESUS: HIS LIFE)は、イエスのいちばん近くにいた8人それぞれの視点からイエスの生涯を描いていくという英国のテレビ・シリーズ。1話およそ40分。サスペンス調のストーリーがテンポよく展開され、ぐいぐいと聖書の世界に引き込まれていく。2019年3月25日に「ヒストリーチャンネル」で全8エピソードが初めて放送された。
ドラマの随所に、さまざまな神学者や牧師、神父の短いコメントが挟み込まれるところは、歴史ドキュメンタリー番組としての側面だ。その解説もドラマの流れをさえぎることなく、ナレーションとしての役割も担っているように感じられる。そうすることで、これが単なる作り話ではなく、歴史上の出来事なのだという客観性が担保されるのだ。
これは、クリスチャンでない人にも違和感を覚えさせないという巧みな構成とも言えよう。キリスト教の幼稚園や学校、書籍などでキリスト教に触れたことのある人がこのドラマを観れば、それまで平板にしかイメージできなかったことが立体的に体験でき、より理解が深まるだろう。また、「イエス・キリストってどんな人なの」「どんなことをしたの」「なぜ処刑されたの」などの素朴な疑問にも答えてくれる。
コメンテーターは考古学・聖書学者のロバート・カーギル(著書『聖書の成り立ちを語る都市──フェニキアからローマまで』)や、メル・ギブソンの映画「パッション」で神学アドバイザーを務めたジョナサン・モリス神父、福音派左派雑誌「ソージャナーズ」の役員であるガブリエル・サルゲロ牧師、同誌の寄稿者であるスーザン・スパークス牧師、最も影響力がある説教者の一人であるオーティス・モス3世牧師、ロイヤルウェディングの説教で話題となった米国聖公会のマイケル・カリー首座主教などだ。
各話の主人公は、結婚前の婚約者マリアから突然妊娠したと告げられるイエスの父ヨセフ(第1話「キリストの降誕 The Nativity」)、洗礼者ヨハネ(第2話「使命 The Mission」)、母マリア(第3話「最初の奇跡 The First Miracles」)、大祭司カイアファ(第4話「ラザロの復活 The Raising of Lazarus」)、イエスを裏切った12弟子の一人イスカリオテのユダ(第5話「裏切り The Betrayal」)、総督ポンティオ・ピラト(第6話「裁判 The Trial」)、イエスに最後まで従ってきたマグダラのマリア(第7話「はりつけ The Crucifixion」)、12弟子のリーダーであるペトロ(第8話「復活 The Resurrection」)。ちなみに、第1話に登場する、受胎告知をする天使ガブリエルを黒人俳優のアンソニー・ケイが演じているのは新鮮。
第1話を無料で観て、続きが気になる人は、アマゾン・プライム・ビデオで全話公開中なので、30日間無料お試しで観てみては。プライム会員(年会費4900円、月額500円)なら追加料金なしで見放題になり、その他のサービスも利用できる。
「ヒストリーチャンネル」は、エーアンドイー・ネットワークス・ジャパン合同会社(東京都港区、以下「A+Eジャパン」)が運営する衛星放送チャンネルで、世界最大で日本唯一の歴史総合エンターテインメント専門チャンネル。世界220以上の国やエリアで放送され、4億人以上の視聴者を持つ。日本では「スカパー!」やJ:COMなどのケーブルテレビ局で放送されており、動画配信サービスHuluやU-NEXT、アマゾン・プライム・ビデオなどでデジタル配信されている。
ヒストリー公式ツイッターでは「イエス・キリストの生涯」各話の見所や、キリストを取り巻く登場人物を演じた俳優の紹介などの投稿を行うという。