横田滋(よこた・しげる)さんが5日午後2時57分、老衰のため川崎市内の病院で召天した。87歳。北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父親で、拉致被害者家族会の初代代表だった。
1932年、徳島県に生まれ、北海道で育った。日本銀行新潟支店に赴任していた77年11月15日、中学1年だっためぐみさんがバドミントン部の練習を終え、友だち2人と別れて自宅まで数分というところで忽然(こつぜん)と姿を消した。98年、亡命した北朝鮮工作員の証言などから、北朝鮮の工作員による拉致ということが確実になった。翌年、被害者家族と家族会を結成して初代の代表に就任し、2008年に健康上の理由から辞任。長らく妻の早紀江さん(84)と一緒に1400回を超える講演して回り、被害者救出を訴えてきた。
早紀江さんは、めぐみさんが失踪した翌年、友人に勧められて聖書を読むようになり、めぐみさんが成人となる84年、日本同盟基督教団・五十嵐キリスト教会(新潟市)で受洗。2017年11月4日、滋さんも日本福音キリスト教会連合・中野島キリスト教会の國分広士牧師から自宅で洗礼を受けた。