イタリア政府は12日、新型コロナ・ウイルス感染による国内の死者が、前日より189人増えて1016人になったと発表した(日本時間13日午前2時時点)。死者が1000人を超えたのは、中国に次いで2カ国目。
感染者は2651人増えて累計1万5113人となり、国内感染が初めて確認された2月21日以降、増加数は最多となった。
イタリア第2の都市ミラノがある北部ロンバルディア州が8725人(死者数744人)と最も多く、同国全体の半数以上を占めている。また同州では、医療従事者の感染が11日時点で691人に達した。感染の急拡大が収まらず、医療態勢の確保が難しくなっているという。
ミラノ賛美教会に出席している金城政美さんに様子を聞いた。
同教会は、ミラノの中心にあるドゥオーモ(ミラノ大聖堂)にほど近いところに位置する。1990年代終わりに、ミラノ韓国賛美教会の礼拝に日本人留学生が出席したのをきっかけに、日本語による宣教を開始。2003年、内村伸之・まり子夫妻がイタリア教会連盟からの招聘(しょうへい)を受け、イタリア初のプロテスタント日本人宣教師として宣教活動をスタートした。毎週日曜日の午後3時から、日本語と韓国語、イタリア語の3カ国語で礼拝がささげられ、日本人牧師がメッセージをする日と、韓国人牧師がメッセージをして日本語の同時通訳をする日があるという。
たった今(12日)、イタリアのコンテ首相は、「感染拡大を抑えるため、食品や薬など、命に関わるものを買いに行く以外は、人々の外出を制限することを決定した」と、国民向けの布告を出しました。また、食料品店と薬局を除くすべての小売店舗とレストラン、バーなどの閉鎖も命じています。
私たちはミラノに住んでいますが、家庭生活も1日1日で大きく変化しています。初めは軽く考えていましたが、今週に入って事の重大さがニュースで伝わってきました。
小学生の息子が通っている学校は閉鎖しています。最初は1週間の休みだったのですが、今週になって休みが延長され、そしてこの間、「4月3日まで休む」と言われたばかりです。
私も昨日まで仕事に行っていたけれど、今日から仕事場が閉鎖になり、家にいます。
また国からも、「家から出ないように」、「人が集まる場所や団体は集会を控えるように」と言われたので、私たちの教会は2週間前から閉鎖しています。
その間、韓国人の牧師さんは、ご自分の家庭で礼拝しているのをフェイスブックでライブ配信しています。ミラノ在住の韓国人の兄弟姉妹は皆さん、その中でお祈りしたり、賛美したり、聖書を読んだりしているのを見ているようです。
私たち日本語の集会は、先週からインターネットによるオンライン礼拝を初めて試しました。あるアプリを使って、リアルタイムにパソコンやスマホを通して顔を見ながら、お祈りしたり、メッセージを聞いたり、またそれに応答したりしました。
ただ、ネットによる遅延のせいか、多少のズレがあって、賛美を一緒に歌おうとしても、同時に声を合わせて歌うのは難しいことが分かりました。初めての試みだったので、慣れないことも多かったのは確かです。
緊急対応だったので、最初のオンライン礼拝は常連の教会員10人くらいが参加しただけでしたが、来週はそのほかの希望する人も参加できるようにしたいと考えています。
ほかの教会が今どのように対応しているのか、私はよく知りません。まわりのことがよく分からずに生活しているのです。
日々、感染者の数はとても増えていますし、死者も増えていますが、すでに病院がいっぱいで、医療機器も圧倒的に足りていないようです。ウイルス自体の危険性で怖がる以前に、医療が対応しきれていないために、とても怖い状況になっています。
ヨーローパの国同士での助け合いはほとんどないようで、かえって中国が少し手助けをしてくれたそうです。
新型コロナ・ウイルスによるこのような状況はすべて、私たちにとって初めての経験なので、どのように対応していったらいいのか、いろいろなことを試しながら少しずつ学んでいます。