東京ワールド・フード・デイ・クロス・ゴスペル(TOKYO WORLD FOOD DAY + GOSPEL、主催:Everlasting Love Project/ハンガーゼロ)が22日、お茶の水クリスチャン・センター (東京都千代田区)で開催された。世界食料デー東京大会として、今年で3回目となるチャリティー・イベントだ。国内外で活躍する実力派のゴスペル・シンガーやミュージシャンが演奏し、ノンクリスチャンを含む110人が集まった。
オープニングは、TOKYO WORLD FOOD DAY スペシャル・ゴスペル・クワイアのパワーあふれる「Awesome」。続いてMIGIWA(みぎわ)さんが登場し、透き通る声で「どんな高価な宝より」を歌った。「子どもの時に聞いていた聖書の話や賛美が、自分の信仰のベースになっている」と証しして、「両手いっぱいの愛」「祈りうた」を披露。「私は不登校や引きこもりなど、つらいところを通ってきたが、イエス様の愛に出会って180度人生が変わった。復活があったから、生きる意味がある」と話し、「素晴らしい朝」を歌い上げた。
次に、ニューヨーク出身のVincento(ヴィンセント)さんがハイ・ボイスで「Please Don’t Pass Me By」「He Wants It All」を歌い、次のように語った。「神はどんな時でも私たちと共におられる。お互い助け合い、与え合ってほしい。神はすべてを献(ささ)げて、みんなを愛してくださる」
前半のライブ・タイムの最後を飾ったのは白鞘慧海(しらさや・えみ)さん。「自分のできることを最大限したい」と述べ、「TUBASA つばさ」「How Great Thou Art」をパワフルに歌った。途中、「ぼくらの世界」と題するビデオ上映をはさみ、「Amazing Grace 〜 I Believe」をゆっくりとしたテンポで歌う。「私たちは自分の思いではなく、神様の計画の中で約束されてここにいます。みんなの夢がつながっていけるように、自分にできることを見つけていってほしい」と訴え、「Keep Movin’ On」をバンド・メンバーと共に演奏して会場を沸(わ)かせた。
休憩後、ハンガーゼロ海外駐在スタッフで国際ジェンダー・アドバイザーのアンドレア・ダンツさんが講演した。アンドレアさんは、アジア地域プログラム・マネージャーとして、「子どもを焦点に当てた地域の変革」(CFCT)に携わる現地スタッフを世界中の現場で指導している。講演では、アジアとアフリカの人々がどのように貧困から脱出をはかろうとしているかについて話された。
2018年のデータによると、世界中で20億人が、安全で栄養のある食べ物を十分得られていない状態だという。しかし、「子どもの教育や農業の方法をサポートすることで飢餓状態を変革できる」と、カンボジアとウガンダでの活動を例に挙げて訴えた。「飢餓をなくすために、聖書的な世界観が必要です。変革を起こすために、あなたは何ができるでしょうか。一人ひとりにできることを考え、今日から始めていってほしい」
その後、ゴスペル・クワイアのメンバーと白鞘さん、ゴスペル・シンガーのLaTonya(ラトーニャ)さんとChirs(クリス)さんも加わり、盛大にゴスペル・タイムが繰り広げられた。そして、最後には全員が立ち上がって声を合わせた。
世界食料デーは、毎年10月16日に世界の食料問題を考えて行動する日として国連が制定した。ハンガーゼロでは今年のテーマを「ちきゅう大家族──75億人の食卓」として、9月28日から11月24日まで全国で「ハンガーゼロ世界食料デー大会」を開催している。
ハンガーゼロと共催したEverlasting Love Project(えばらぶ)は、2015年に発足した社会支援団体。世界で弱い立場にいる人たちのために、歌や音楽、自分たちの持てるものを使って励まし、支援していくことを目指している。
初めて参加したという20代の女性に感想を聞いた。「飢餓問題に興味があって参加しました。パワフルな歌にパワーをもらいました。何か自分でできることをしていきたい」。ゴスペル・クワイアで歌った人は、「喜びにあふれた集会ですばらしかった。すてきな活動だと思うので、これからも続けてほしい」と語った。